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「モチベーション」の火は自分にしか灯せないから

「どうにもモチベーションがあがらない」
「チームメンバーにモチベーションが足りない!」

そんな叫びをたまに見かけますが、こちらの本が本当に良書でした。
こちらを読んだ上での気付き・学びを記します。

BtoBマーケティングにおいては、マーケティングとセールスの2つが担っていた領域を細分化し、効率化することがトレンドです。たとえばインサイドセールスとフィールドセールスの分類や、カスタマーサクセスなど。

業務(工程)を細分化するということは、効率化へ直結します。しかし、単純作業を繰り返すだけではいつか人は飽きるもの。

モチベーションを下げないためにどうするか、そして上げるには。
そのヒントがこの本に詰まっていたので、エッセンスを拝借しながら考察します。

人が動く瞬間

この本では、「人は人を無理やり変えることはできない」ということを一貫して伝えています。つまり、自分を変えたり、動かせるのは自分だけ

この前提条件を理解しておかないと、相手をやる気にさせることなんてできない。あるいは、自分をやる気にしてもらうことができない。ということが一貫して主張されています。

そして大切なのは、この認識をリーダーが持つだけではダメで、メンバーも持つべきであるということでしょうか。

時折、仕事が辛い理由を吐露するときに、周囲の環境を原因にしてしまうことがあります。これは誰でも経験したことがあると思います。

しかし、これらの環境(外的要因)はモチベーションと行動を決定するものではなく、1つの情報にすぎないのです。

その情報をもとに、自身が判断して行動を選択しているのです。

いま新入社員のメンターをやっていますが、実際「アドバイス」というのはそう簡単に刺さらないのだなと痛感しました。大切なのは自身で考えて気づいてもらうこと。それを「なんかこの人、私のことコントロールしようとしている?」と思われないようにしなきゃいけない。割とそれは難しそうです。質問の仕方とか、会話の仕方を磨かなければいけませんね。

欲求は段階ではなくパラメータ

マズローの欲求段階説は非常に有名ですが、別の書籍を読んだときに「最上位である『自己実現欲求』を満たしてあげればよい、と考えている企業が多すぎる。いちばん必要なのは、そもそも所属と愛の欲求を満たしてあげることだ」といったようなことが書かれていました。

こちらについては確かになるほど、という感じだったのですが少し腑に落ちない点もありました。みんな、本当に所属と愛の欲求を会社に求めているものなの?と。

ただ、こちらの本を読んで納得だったんですが、人は常に欲求を満たそうとするが、どの欲求がどれくらい強いかは人によって異なるのです。

欲求は段階ごとに満たされていくのではなく、まるでゲームのステータスのパラメータのように、人によって強い欲求と弱い欲求に差があります。

筆者は以下のように分類しています。

・愛・所属の欲求
・力・価値の欲求
・自由の欲求
・楽しみの欲求
・生存の欲求

この分類は自分の中で非常に腹落ちしていて「たしかにあの人はここの欲求を満たそうとしやすい人だよな」みたいなメガネを手に入れた気分です。

しかし忘れちゃいけないのは、これらの欲求は自分だけじゃなくて、周囲の全員が各々満たそうとしているものだということ。

自身が力・価値の欲求を満たすための行動をしてしまった結果、ここの場所は自分が所属できる場所ではない、と思われてしまうことがあり得るということです。

欲求はイメージを持つことで行動へリンクする

自分の欲求のパラメータがわかったら、それを満たすために自分をどうアクションさせるか。そのために必要なのがイメージです。

書籍内では「Wantsイメージ」と書かれています。このイメージがはっきりすると、人は自律的に行動します

先程の欲求がエンジンだとすると、イメージは目的地。
欲求の形は分類しましたが、欲求の満たし方は人それぞれです。

お腹空いたとき、何を食べてそれを満たすかは人それぞれ。それと同じ話です。

「飽き」がモチベーションの減衰にならないために

BtoBマーケティングとセールスの現場では、従来のセールスが担っていた範囲を、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスといった呼称を用い、工程ごとに役割をもったチームやメンバーを配置することが大きなトレンドになっています。

工程を細分化するということは、作業を単純化させ効率化させるということ。特にインサイドセールスは前職で私も経験があるからわかるのですが、極端な書き方をすると毎日コールするだけなので、非常に「飽き」が訪れやすい仕事です。

なので、少なくとも以下のような状態は実現できていないといけないなぁと感じた次第です。他にもきっとありそう。

・後工程が前工程を評価できる仕組みを用意する
・前後の工程でお互いに感謝できる仕組みを用意する
・目標を達成することが自身のイメージ実現につながる、ということを評価者と被評価者との間で合意できていること
・そもそも目標が自身のイメージ実現につながるものになっていること
・作業の中に楽しみの要素を含む全社的な工夫をすること

私がインサイドセールスをやっていたときは、主にアウトバウンドコールがほとんどでした。

月に一度、全社員も丸一日電話をするための日が設けられていて、その日はアポが取れるだけで「ドラ」を鳴らせたり、一番アポが取れた人は表彰されたりしていました。

個人的には好きなイベントでしたが、優劣がついてしまうのでそうでない会社もあると思います。しかし、大切なことは欲求を満たすための仕組みを用意することと、動きたくなるイメージをしっかり部下に持たせてあげることは、上層部あるいはリーダーに課された義務のように思っています。

ただそれに甘えるのではなく、自分の欲求は自分にしか満たせないのだから、日頃からイメージを持つことを大切にしていきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました!
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