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「呼吸」こそお腹のトレーニング

人間をはじめこの世のすべての動植物が絶えず行う「動作」とは?

答えは「呼吸」です。

生物はこの世に誕生してから命尽きるまで絶えず「呼吸」を行っています。この動作をやめる、止めるとどうでしょうか?
呼吸はとても大切な生きるための手段であり、成人で1分間あたり12~20回の呼吸、一日に換算すると2万8千回以上の動作を行っています。この運動を担うのはいわゆる「呼吸筋」と呼ばれる筋肉であり、呼吸をすることで肺に空気を入れたり、出したりと筋力トレーニングを知らぬ間にしているのです。
 呼吸器官といえば鼻腔口腔から取り入れた空気が気管、気管支、そして肺、肺胞へと管や風船のような構造になっている器管を通り、酸素と二酸化酸素のガス交換により正常な呼吸が行われています。

「肺」は他臓器と異なり筋肉ではないため、自らは動けません。
肺の働きを補助してくれるのが腹部の深層の筋肉
①腹横筋
②内腹斜筋、外腹斜筋
③多裂筋
④骨盤低筋群
⑤横隔膜
一番肺の近くで呼吸を補助してくれているのが横隔膜という組織です。特にこの横隔膜は脊柱の安定性を担っており、これらの筋肉によりコルセットのような安定性を脊柱に与えています。また発声や嚥下にも横隔膜は関与しています。

では、呼吸を意識して実践してみます。
・浅く早い呼吸をするとどうなるでしょうか?
・深呼吸をし、ゆっくり呼吸をするとどうなるでしょうか?

浅い呼吸だと、十分に呼吸できず肩や首に緊張が入り易くなり、疲労感や心拍数の上昇を招き、交感神経が優位になります。反対に深呼吸のような深くゆっくりとした呼吸を行うと筋の緊張が落ち着き、心拍数も減少し、深呼吸を繰り返すことにより血圧も下がります。

普段から肩こりや、腰痛の方、心配事やストレスがある方は呼吸が浅くなっている可能性があります。普段のご自身の「呼吸」について考えてみてはいかがでしょうか?

それでは、トレーニングをしてみましょう。

呼吸筋トレーニング
❶鼻から吸い、口から吐く
❷基本は吸気1:呼気3:呼吸止め1の割合で呼吸を行う
❸息を吸いながら胸と腹部を同時に膨らませ、息を吐きながら胸と腹部を同時に凹ませるようにし胸腹式呼吸を行う
❹息を吐く際に、細長く遠く「ハァー」と口元を脱力しながらながら吐く

🔦分かりにくい場合は、風船を使用してみましょう。
❶片手で風船を持ち、風船を口にくわえたまま鼻から息を吸い、長く息を吐くようにしながら風船を膨らませる
❷息を吐ききったら、鼻からまた息を吸う
※息を吸う際、風船はしぼませないように空気を貯めたままにします。風船の口元を指で押さえず、口で空気が抜けないようにコントロールします。

意識的に呼吸をするのも良い腹部のトレーニングになり、リラックス効果もありますので是非、普段の生活で取り入れてみましょう!!

当施設では、理学療法士による指導やアスレティックトレーナーによる指導を行っております。詳しく知りたい、指導してもらいたいというご要望あれば、是非、まずは当施設へお立ち寄りください。

引用・参考文献
・呼吸を教えるあなたに必要な「基本の呼吸」講座 講義編
・大貫崇,呼吸機能と体幹、横隔膜の関係性について,日本アスレティックトレーナー学会誌,5(1):27-34,2019
・Hidetaka Masaaki,Effects of Diaphragmatic Breathing on Health: A
Narrative Review,Medicines7.65 :2020