ヴァイオリンのある暮らしin栃木~亀田砂織

ヴァイオリン奏者。 ウィーン留学を経て、現在は演奏活動の傍ら後進の指導に携わっています…

ヴァイオリンのある暮らしin栃木~亀田砂織

ヴァイオリン奏者。 ウィーン留学を経て、現在は演奏活動の傍ら後進の指導に携わっています。 https://kameda-violin.com

最近の記事

ヴァイオリン(ヴィオラ)2重奏

何故こんなにも曲が少ないのだろうか。 ピアノの連弾はたくさん編曲されているのに。 今月は、ずっと楽譜とにらめっこが続いていた。 何かというと、ヴァイオリン2台又はヴィオラ2台で演奏できる曲を編曲していたからだ。 とにかく、2重奏の曲がほとんどない。 去年、チェロの先生とこの2重奏曲がないという話題で盛り上がったのだが… 第3ポジションが問題なく弾けるレベルぐらいからはちらほら曲があるのだが、第1ポジションのみで弾ける曲が極端に少ないのだ。 発表会で2重奏を取り入れようとする

    • ウクライナ侵攻とエリザベート国際コンクール

      街をあげてのエリザベート国際コンクール。 1位 ドミトロ・ウンヴィチェンコ 本選でも予選のイザイでも、音の出し方がものすごく自然。 そして、身体の使い方が無理がない。 日本人では、吉田南さんが6位入賞。 めったに演奏されないエルガーのヴァイオリン協奏曲。 クライスラーに献呈されて名曲なのに、なぜか舞台で聴く機会がほとんどない。 昔エルガーのソナタを演奏したヴェンゲーロフに協奏曲も良い曲なのにと言ったら、名曲だよねと言っていた。 今回の1位の出身地は、ウクライナのハル

      • エリザベート国際コンクール

        現在、ベルギーのブリュッセルで行われているエリザベート国際コンクール。 セミファイナルが終わり、ファイナルに進む12名が先日発表となった。 ご存知の方もいるだろうが、このコンクールはかなり独特。 ファイナルで演奏する1週間前、外部との接触を全く絶って決められた場所(昔はお城だった気がする)でお籠りをする。 そこで何をするか? このコンクールのために作曲された新曲を、たった1人で仕上げるのだ。 通常、先生のレッスンを受けて曲は仕上げる。 独学でない限り、当たり前の事だ。 この

        • 松脂 最後まで使うために

          前回は楽器のしまい方を書きましたが、今回は松脂。 松脂? 弦楽器の弓に付けるもの。 バレリーナのトゥーシューズにつけるもの。 野球選手が使うもの。 大まかに言うと、滑り止めの役割をしています。 弦楽器の場合、弓が弦をすべらずにしっかりと擦って音をだせるようにしています。 蛇足ですが、油絵を描く時に使用するテレピン油(油絵具と一緒に使用します)も松脂の仲間なので、瓶の蓋を開けると松脂と似た香りがします。 さてこの松脂、見た目とは裏腹にとてももろい。 コツン(ガツンではありま

          ヴァイオリンのしまい方

          ゴールデンウイークも前半終了。 部活やサークル等の体験は、今週いっぱいだろうか。 初めて楽器に触れた方、どうだったでしょう。 今回のタイトル、知っている人からしたらわざわざそのような事と思うかもしれないが、知らない人からしたら知らないので書いていこうと思う。 何事も、初めてが肝心。 今回は、楽器のしまい方。 ケースにカバーがついているから、何か他に必要?と思った方もいるだろう。 必要ないと思う方もいるだろうが、私は楽器に布(スカーフ)を巻く派だ。 理由は簡単。 楽器ケース

          ドリームコンサート 2024 in宇都宮

          ひょんなことから、文化会館で行われたドリームコンサート2024へ足を運んだ。 演奏は、愛知工業大学名電高校、聖カタリナ学園光が丘女子高校、浜松聖星高校、習志野市立習志野高校、東海大学付属高輪台高等学校。 察しの良い方ならばお分かりだろう。 吹奏楽の強豪校だ。 なかなかまとめて栃木県で聴く機会などないので興味津々で足を運んだのだが、色々な意味で驚きと感心して聴いていた。 学校によっては部員200名!160名! ここ10年前ぐらいから吹奏楽の部員は集まらないとよく聞くのだが、

          新学期

          新しい学年が始まり、丁度半月。 担任の先生が変わった、クラス替えがあった、進学で全く違う環境になった等々。 ほとんどの人が、何らかの変化があったのではないだろうか。 春は眠いとよく言われるけれど、それはきっと環境の変化に睡眠がカバーしようとしているからではないかと最近は思う。 スタートダッシュも大切かもしれないけれど、それは人それぞれ。 息切れしてしまったら、意味がない。 春大きな環境の変化があった生徒さんには、いつものレッスンよりペースを緩やかにしている。 大体5月の連休

          高校定期演奏会

          3月20日、栃木市で高校オーケストラ部の定期演奏会があった。 ご縁があり今年もお声をかけていただいたので、お手伝いで参加させていただいた。 栃木県内にはオーケストラ部(管弦楽部)が6校あり、ベートーヴェンの第九を演奏する伝統がある高校がいくつかある。 昨日の高校もその1つ。 コロナのために数年ストップしていたのだが、昨年再開する事ができた。 ただ昨年は全員第九を演奏するのが初めてだったため、先生も生徒さん達もそれはそれは大変だったと思う。 今年は去年1年生だった子が2年生と

          コンクールと受験から

          あと数日で国立大学の発表。 先月コンクールの審査をしたのだが、これから受験なのだろうなという参加者が数名いた。 音楽大学の実技試験は、大概練習曲と自由曲。 学校によっては、音階が課せられる場合も。  受験ともなると、やはりミスはかなり致命傷になる。 でも無傷の演奏など、コンクールや受験ではなかなか難しい。 では、万が一ミスをしてしまった時に何がプラスに作用するのだろう。 音楽性。 それに尽きると思う。 テクニック的なミスは、有効な練習すれば失敗する確率を下げられる。 で

          小澤征爾さん

          先日届いた訃報。 東京でのジョン=ウィリアムズのコンサートでの舞台上の姿から体調が思わしくない事は想像していたが、残念に思う。 そこに居るだけで、オーケストラの音をガラッと変えてしまう指揮者がいる。 いつものメンバーで特別な事をしている訳でもないのに、何故か出てくる音が全く違うのだ。 何がどう違うのか、上手く説明出来ないのだが.… 小澤征爾さんも、そのような1人であったと思う。 高校生の時、指導してもらったのが最初だった。 先生方から「キャーキャー言わない!」「サインもら

          弾き比べ

          先日、知り合いの楽器店が行った弦楽器フェアに足を運びました。 以前は、秋に東京で行われていた弦楽器協会のフェアによく行っていたのですが、コロナ下ですっかりご無沙汰に。 昨年、かなり時間をかけて約20台のヴァイオリンから1台選ぶ機会があり、その時に色々と感じたり得るものが多かったのです。 そのような訳で、自分の中の情報や経験が上書きできればとも思っていました。 ヴァイオリン、ヴァイオリン弓、ヴィオラ、ヴィオラ弓。 もちろん楽器本体の収穫もありましたが、様々な弓メーカーを価格

          小学校でのヴァイオリン授業

          地元の小学校へ出掛け、ヴァイオリンの授業を行った。 最近急にインフルエンザ等での学級閉鎖などが増え心配したが、無事に終えることが出来た。 選曲は、対象の学年の鑑賞曲からリンクさせられる曲から。 今年は、モーツァルト、サン=サーンス、ヴィヴァルディ、ショスタコーヴィチを選んだ。 1クラスずつの授業なので、反応が真っ直ぐに伝わってこちらも楽しい。 一番近い子どもは、1mぐらいの距離。 45分の中に収めなくてはならないので、毎回なかなか時間配分が難しい。 いつも不思議に思うのだ

          小学校で

          今年も既に12月半ば。 ここから年末まではあっという間。 冬にいつも行っている小学校のヴァイオリン授業が、そろそろ近づいてきた。 今年で10年目。 去年から、インフルエンザやコロナで学級閉鎖等になってしまい行えなくなる事を想定して、年内に行う事を決めた。 万が一駄目なの時には、年明けの1月。 今週別の学年は学年閉鎖になってしまったようだが、来週は大丈夫そうだ。 やりたい事は色々とあるのだが、授業時間が45分。 内容を決めるまで、削ぎ落としていく作業が思いの外時間がかかる。

          こどもクラシックday

          先日の日曜日、小山市立文化センター主催で「こどもクラシックday~オーケストラに入っちゃおう!」が開催された。 内容はタイトル通りで特別な事はしていないのだが、多分県内では初めてに近い試みだったのではと思う。 演奏会の後半で、美しき青きドナウ、ラデツキー行進曲、威風堂々を一緒に演奏。 前日の土曜日に顔合わせ+合わせというスケジュール。 演奏体験参加者を募集はしたものの、何人の子ども達が参加してくれるのかも未知数だったし、一緒に曲を演奏してどうなるのかも未知数。 かなり直前ま

          創立記念式典

          週末、県内の小学校の創立記念式典にて演奏をした。 今回の編成は、卒業生2名を含んだミニオーケストラ。 なかなかオーケストラを聴く機会が子ども達にはないので、計画をして下さった学校関係者の皆様に感謝したい。 土曜日という事もあり、ホールには保護者の方々の姿も。 700人以上の児童が在校している学校だったので、会場は市内の大ホールで。 オーケストラを大ホールで聴く体験が、どこかで何かにプラスになってくれたらと願う。 このような演奏会の場合大概楽器紹介があるのだが、毎回子ども達

          呼吸~モーリス ブルグ

          先日日本で開催されていたオーボエ国際コンクールで前回(2018年)まで審査委員長を務めていたブルグの訃報が、フランスから届いた。 今月6日、83歳だったそうだ。 サン=サンースのオーボエソナタのCDを探していて、たどりついたのがブルグの録音だった。 YouTubeでは、ブルグと野平さんの素晴らしいサン=サーンスの演奏が聴ける。 こんな音楽をホールで聴けたら、どんなに幸せだろう。 ブルグのこんなコメントを読んだ。 「オーボエ奏者に限らず、ピアニストもヴァイオリストも呼吸法を