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松脂 最後まで使うために

前回は楽器のしまい方を書きましたが、今回は松脂。
松脂?
弦楽器の弓に付けるもの。
バレリーナのトゥーシューズにつけるもの。
野球選手が使うもの。
大まかに言うと、滑り止めの役割をしています。
弦楽器の場合、弓が弦をすべらずにしっかりと擦って音をだせるようにしています。

蛇足ですが、油絵を描く時に使用するテレピン油(油絵具と一緒に使用します)も松脂の仲間なので、瓶の蓋を開けると松脂と似た香りがします。

さてこの松脂、見た目とは裏腹にとてももろい。
コツン(ガツンではありません)と軽くぶつけただけで、欠けてしまう。
そして、下には粉になった松脂が…
この粉がベトベトして始末が悪い。
きちんと掃除をしないと、後々大変な事になってしまいます。

割れた松脂

注意していても事故が起こる事が多いのに、何も考えずに行動していたら、松脂を最後まできれいに使い終えるのはまず難しいと考えましょう。
でもほんの少し気を付ける事によって、事故を減らす事は可能です。

まず大前提から。
使用していない時は、ケースに入れて楽器ケースにしまっておく。
今だけ、ちょっとだけと思ってポンとテーブルに置き、落としてしまった!という事故がよくあります。
そして、松脂をつける時。
大多数の方は、下の写真のようにつけると思います。

松脂と弓

間違いではありませんが、これだと弓元の銀色の金具を松脂にぶつけてしまう事がおきます。
1度ならば被害はそれ程でもありませんが、回数が増えると写真のような状態に。

周りが傷だらけの松脂

強くぶつけてしまうと、端が欠けてしまう事も。さて、ここからが本題。
予防のために、ちょっとした工夫を。
金具の部分を親指で押さえましょう。
たったこれだけの事で、金具と松脂の接触をゼロにできるのです。

親指の場所

そして、最後。
使う度に、同じ場所ばかりつけない事。
同じ場所ばかり使用していると道ができて、薄くなります。
その状態が続くと、そこから割れてしまうのです。

楽器や弓のような大きな問題ではないけれど、気を付けて扱いたい松脂のお話でした。


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