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あせりはきんもつ

調子が上向いてくる。活力が出てきて、やる気が出てくる。あれもしたい!これもしたい!あぁ、早くしなきゃ!すぐにしなきゃ!焦りが出てきた気持ちに身体は追いつけず、調子が落ちてゆく。


そんな波を行くたびも乗りこなしては呑み込まれてを繰り返してきてようやく、「今の私は焦っている」に気づけるようになってきた。

例えば、

「あぁどうしよう」って言葉がぐるぐる回る時。

「あれして、次はこれして、その後に…」って頭の中で考えてる時。

「明日は出かけなきゃいけないから、今日のうちにこれを」って頭で逆算してる時。

きっと身体は力んでいて、なぜか深刻な顔になっている。呼吸は浅くて、身体はじっと動かない。

外から見てると仏像のように不動の私は、心の中でパタパタと慌ただしく動いている。1人快適な部屋にいても、息苦しくて落ち着かない。

ずっと続くと身動きできないくらいに苦しくなるから、合言葉を決めておこう。

" あ せ り は き ん も つ "


ひと呼吸ついて、焦っている自分に気づけば、肩の力が抜ける。肩の力が抜ければ、今、1番大事なことが見えてくる。そらが分かれば、慌てる必要がないことに気づけるはずだから。

また、元の調子が戻ってくる。



合言葉に合わせて、アイテムがあると心強い。

私は今日、森下典子さんの『好日日記』を読んで、呼吸ができた。

『日日是好日』で有名な森下さんの、お茶のお稽古がある水曜日に綴られた1年間の日記は、茶道の経験が一切なくても、稽古場にいるような気分になる。そこは気持ちよく落ち着いて、新鮮な空気が鼻を通るような清々しさを感じる。

はぁ〜〜とひと息吐いて、軽くなった心で現実世界に戻れる魔法の本を見つけた。