秋の定番タルトポワール作りは、ラ・フランスの管理から始まる
伝統の一品から話題の新作まで、レ・ザンジュが大切にしている商品を一つ一つ掘り下げて紹介する連載「 #あの商品ができるまで 」。第2回は、創業以来のレシピを忠実に守り続ける秋のスペシャリテ、タルトポワールです。
レシピをなぞるだけでは作れない、熟練のシェフの技術が詰まった名作をまずはこの記事でご賞味ください。
秋のスペシャリテ、タルトポワールとは
ラ・フランスの旬に合わせて毎年11月中旬~12月中旬ごろに販売され、レ・ザンジュの秋を代表するタルトポワール。創業当時からお世話になっている、山形の契約農園「川口観光果樹園」から直送した大きなラ・フランスをアーモンドクリームの上に生のまま乗せ、じっくりと焼き上げた自信作です。
レシピは創業以来40年のあいだ受け継がれてきたもの。オーブンの中でラ・フランスの果汁とタルトの旨味が混ざり合い、お互いの魅力が絶妙に引き立てられています。
もっとも重要なのはラ・フランスの成熟
生のラ・フランスを焼き上げるため、果実の成熟具合が味を左右する重要なポイント。10月の初めに収穫されたラ・フランスは、農園の冷蔵庫で2週間ほど予冷をしてから少しずつ出荷されていきます。
1日でも早く入荷してタルトを作りたいところではありますが、農園で予冷をし、さらに、お店に届いたあとも追熟の工程を踏むことで、ラ・フランスがベストなおいしさに熟成されていきます。
ラ・フランスの追熟具合の見極めは、レシピをなぞるだけでは再現できないシェフの感覚が成せる業。WEBでもオーダーいただくので、お届け日に合わせてラ・フランスを入荷し追熟を進めていきますが、完熟を早めるために果実のそばにリンゴを置くことで追熟を早めるという方法を取ることも。
ラ・フランスの味を引き立てる土台作り
味の要のラ・フランスを引き立てながら、単体でも人気を集めているのがタルト生地。パータフォンセというカリッとした甘さ控えめの土台に、クレームフランパジーヌというクレームダマンド(アーモンドクリーム)とカスタードを混ぜ合わせたクリームを重ねます。
そこに熟成させたラ・フランスの半身をごろっと乗せたら、ポワールオードヴィという洋梨のリキュールで香り付け。窯の中でラ・フランスにじっくりと火が通っていく過程で生地に果汁が染み込んでいく過程は、「最後のレシピ」と言い伝えられるほどタルトの一体感を演出するのに重要な役割を担っています。
今後のレ・ザンジュはタルトに注目を
タルトポワールは今年も11月半ばごろから販売開始予定。ほかにもこの秋、鎌倉本店、西鎌倉店、レ・ザンジュ ベイ 山下公園店の3店舗では、ファンの多いタルト生地を存分に活かしたタルトのラインナップが揃います。
詳しい販売スケジュールは、レ・ザンジュのInstagramやWEBサイトでお知らせします。素材の魅力たっぷりのタルトを、ぜひ一度ご賞味ください。