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『薫る花は凛と咲く』はきっと誰が読んでもピンとくる漫画

『薫る花は凛と咲く』は、誰が読んでもピンとくる高校生ラブストーリーのど真ん中のような漫画です。

はじめはタイトルと表紙が気になり、この作品を読み始めました。

『薫る花は凛と咲く』のあらすじ

とある場所には、隣接するふたつの高校がある。バカが集まる底辺男子校・千鳥高校と、由緒正しきお嬢様校・桔梗女子。

強面で物静かな千鳥高校2年・紬凛太郎は、実家のケーキ屋の手伝いの最中にお客で来ていた少女・和栗薫子と出会う。

薫子との時間を心地よく感じる凛太郎だったが、彼女は隣接しながらも徹底して千鳥を嫌う桔梗女子の生徒で……!?

“近くて遠い”二人が織りなす、青春彩る学園物語!!

マガポケ

ストーリーとしては、隣り合った高校に通う二人の話です。

主人公の凛太郎くんは男子校に、薫子ちゃんはお嬢様学校に通っており、

タイトルの『薫る花は凛と咲く』は二人の名前から取られたものだと思います。

一巻を読み、これほで典型的な設定は久しぶりだなと感じました。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』1巻より

ただ、最新刊まで読み進めると、この漫画は単なる恋愛ではなく

男子校と女子校のグループで交わされる会話に物語の鍵があると思います。

対話を重ねて相手を知り、誤解を解くシーンが多く、丁寧に描かれていました。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』3巻より

このときに、登場人物それぞれの優しさ、素直さ、不器用さが伝わってきます。

それが作品のもつ柔らかさや瑞々しさに、つながっているのかもしれません。

10歳くらいの子どもが読んでも、多くのことを感じ取れるのではないかと思います。

たとえば、40歳の僕からすると、大した問題ではなく、すぐに言えば済むようなことかもしれません。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』3巻より

しかし、15歳や16歳の高校生にとって、

本当の自分をさらけ出すことは勇気がいることの一つだなと思いました。

それを受け止める側も、覚悟を持って聞く必要があると感じさせられます。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』3巻より

これまでのnoteにも書いてきたことですが、高校時代は伝説化し、美化されていくものです。

思い出は色褪せないですが、戻れないものだからこそ、この物語はさらっと進んでいるようで、

その過程に重きが置かれていると思います。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』5巻より

最新刊でも、二人の恋愛は非常にスローペースで進みます。

今の高校生にとって、このスローペースは珍しいかもしれません。

しかし、こうした毎日の過ごし方には、

他では得られない重みと、色褪せない良さがあるのかもしれないと感じました。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』13巻より

最後に、この漫画で特に印象に残っている話を紹介します。

凛太郎くんが金髪をやめるシーンです。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』9巻より

凛太郎くんが金髪とピアスをしている背景

小学生の頃に、友達がいなくて学校が楽しくなかった凛太郎くんは、家族と訪れたケーキ屋さんで、楽しそうに働くパティシエの姿に感動しました。

そのパティシエに憧れ、自分も同じように金髪とピアスにしたいと家族に話します。

家族はその思いを受け入れましたが、接客業をしていることから凛太郎くんが気を使わないように、母親が先に金髪とピアスにしました。

とても大切な意味があって、金髪を続けていた凛太郎くんですが、

薫子ちゃんと出会い、関係が深まるなかで、黒髪にする決断をします。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』9巻より
出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』9巻より

これも愛ゆえの決断と言ってしまうと軽くなってしまいますが、このエピソードは好きです。

いつまでも過去の栄光として、俺はずっとこうだから金髪だ、ということではなく、

その時々に応じて変化を反映させていくことも大切だと感じます。

出典:三香見サカ/講談社『薫る花は凛と咲く』9巻より

このエピソードからは、彼らも成長しているし、時代も流れていることを感じました。

『薫る花は凛と咲く』は純粋で、心が洗われるような物語だと思います。

ぜひ、皆さんもこの作品を手に取ってみてください。

(ヘッダー画像引用元:薫る花は凛と咲く【公式】

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