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『秒速5センチメートル』

土曜日ということで映画です。『君の名は』『天気の子』でおなじみの新海誠監督作品『秒速5センチメートル』を観ました。切ないです。


ストーリー

小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。二人だけの間に存在していた特別な想いをよそに、時だけが過ぎていった。

そんなある日、大雪の降るなか、ついに貴樹は明里に会いに行く……。

貴樹と明里の再会の日を描いた「桜花抄」、その後の貴樹を別の人物の視点から描いた「コスモナウト」、そして彼らの魂の彷徨(ほうこう)を切り取った表題作「秒速5センチメートル」。3本の連作アニメーション作品。


まず、タイトルの意味が気になりましたね。

1番はじめに桜の花びらが落ちるスピードというシーンがあったので、それは分かったんです。ただ「秒速5センチメートルってなに?」「どういう感じ?」「ひらひら揺れるのが5センチメートル?」「なんなんだろうこのスピード」と未だに答えが出ていないんですよね。

ここから、ぼくの鑑賞はスタートしました。


「桜花抄」

主人公の貴樹くんが住んでいるのは、豪徳寺なんですよね。

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この映画は東京生まれの人にとっては、ゆかりのある場所しか出てこないんじゃないかなと。栃木へ行くときも新宿乗り換えでしたよね。

ぼくは『天気の子』から新海誠作品を観はじめたんですけど、これ間違えなく『君の名は』を作った人だな、と再確認しました。当たり前なんですけどね(笑)。

新宿が超リアルなんですよ。

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新海誠作品は「世の中でいうリアルではないものをリアルに描くな」と思っていて。例えば『天気の子』のYahoo!掲示板。これ、わざわざロゴをいれる必要はなかったと思うんですね。

今回だと3部作の1番最後にあたる「秒速5センチメートル」で、ビールを飲んでいるシーンがあります。そこもKIRINなんですよね。こういうのが気になっちゃうくらい、描写が細かい。ここが特徴なのかなと思いました。


あとは、電車のシーン。山崎まさよし「One more time, One more chance」がめちゃくちゃ流れるじゃないですか。

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はじめはオルゴール調で流れてきたんですけど、「こんな生々しい曲使うんだ」「これ横浜の歌だけどな」「でも、いまは栃木だよね」と、ちょっと思ってしまいました(笑)。

そして、会いに行く日。
雪が降っていましたよね。

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で、お決まりの遅れる展開です。さすがにもう分かりましたね。邪推するつもりはなかったんですけど、いつも通り想像してしまいました(笑)。

この映画はぼくにとって、「俺の中学生時代ってこんなんだったっけな」と思ったりした淡い物語でしたね。手紙では明里さんはずっと敬語なんです。

たまに【なんとかかな】と書いてあったりして「この淡い感じあるよな」という切ない感じでしたね、全体的に。

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そのあと実際に会えてキスをして、納屋で一晩過ごして。

ここで「お父さんお母さん心配しないの?」とぼくはめっちゃ思ったんですけど。そこは、そうなんだろうと。しかも、ピュアにそのあとは帰っていくじゃないですか。

いやー、俺だったらこれ完全に、、、とか。素直に子どもの気持ちでは観れないぼくがいましたね(笑)。

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よかったなと思うのは、貴樹くんが「キスをしたら悲しくなった」「終わりがあるから」と言っていて。でも「終わりがあるから楽しいんだよな」「この間あつ森のnoteで書いたばっかりだしな」と思いつつ。

終わりがあるからでいうと「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」というマンガで、ある日星を眺めていたらどうしてか死ぬのが怖くなって大泣きし始めるシーンがあるんですね。

そのときにお母さんが

「輝けるときが頑張れる」
「終わりがあるから頑張れる」

みたいなことを言うんです。

これを人に言うのもどうかと思ったんですけど、ぼくは36歳になって、このあと2倍生きたとしてもまだ大丈夫だと思うんですけど、夜に悲しくなることがあったんです。

「自分の人生にも終わりがあるんだ」と、昔はそれが怖くて眠れなかったんです。

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今はバタンキューで寝れちゃうんですがそんなことを思い出しましたね。

あとは「声が特徴的だな」「新海誠作品はいつもそういうキャスティングをしているのかな」と思いました。


「コスモナウト」

ここからは、2部ですね。2人は高校生になりました。ぼくのメモには

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と書いてあるんですけど。もう、その通りで。カブってなんだよって。

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いいよね、カブって。待ち伏せなんかされたことないもん、人生のなかで。ぼくは「貴樹くんはすごい罪なやつだ」と思いましたね。

── そうご覧になられたんですね(聞き手:Erina)

え!そう観ますよ、あんだけ思わせていたら。ぼくはモテない人間ですけど

── あの卒アルの写真からはとても

(笑)。

思わせぶりなことも罪だと思うわけですよ。違うんだったら違うで、次の恋愛に進ませてあげないと。

ぼく、なかなか酷いことを言うんですよ、人に対して。曖昧な表現をしないタイプなので、違うんだったら「違う」と言いますね。惰性で流れたとしても「これ惰性だから」と言うタイプなんですよ。「次会ったとしても微妙かもしれないね」とか。

ぼくはもう我慢するのとかが嫌なので、違ったら「違ったかもしれないし」ということを言っちゃったほうが楽。事実「そうだと思ってるし」みたいな。

── それは昔から変わらない部分なのでしょうか

UUUMを作ってからじゃないですかね。UUUMに入ってからのぼくは、別人になっているところが多いと思っていて。

── では、昔の鎌田さんは

0:100ではない上手さをみたいなものを、やっていたかもしれないですね。

今のぼくは「優しさ溢れる」という言い方をあえてしていますけど、キツイかもしれないですね、人によっては。「そんなはっきり言わなくてもいいじゃん」と言われたら、間違いないんですけど。

ぼくにとって今できる優しさはこれだと思っています。親身になって相談に乗ることもできるかもしれないけど、時間は限られているので。

だから、ぼくは貴樹くんのことを「罪だな」と思いましたね(笑)。

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あとは、世界観も気になりました。この2部くらいから『君の名は』感入ってますよね。この世の終わりなのか、なんかこう、その描写すごくね?みたいな感覚になりました。

それから舞台が鹿児島ということで宇宙ロケットが登場します。ぼくは、この映画のなかで「淡さと隣り合わせいるのが切ない描写だ」と思ったんですよね。

「宇宙ロケットは、何年もかけて太陽系の先を突っ切っていく...」

この表現が出てきたときに、ぼくは宇宙が好きなので聞き入っちゃったんですよ。たしかに、そこになにも楽しさはないですよね。


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この作品は全体を通して、人を幸せにしたいというわけでもなく。なんかやっぱりこう、淡く傷つけていくストーリーが全体的にある感じがしますよね。

そこから、3部にいくんですけど


「秒速5センチメートル」

最終的には、2人が出会うことはないじゃないですか。

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ここで思ったのが、また山崎まさよし全開だなって。

もうBGMが流れまくるわけですよ。いいなー。「One more time, One more chance」って思ったもん。俺もカラオケで歌いたいって。

── 最近はよくカラオケのお話をされている気がします

だって、どれほど行けていないと思ってるんですか。もう2ヶ月以上、行っていないわけですよ。

もう「Mrs. GREEN APPLE も歌えるようになっちゃってるし」とかさ。

── どんどん歌える曲ばかりが増えて

そうですよ。

映画に話を戻すとですね、描写が新宿近くのだったと思います。あれ、『君の名は』のところの近くだと思うんですよね。『君の名は』のすれ違うところと、3部で男女がすれ違って踏切があってという、あのシーン。

「同じ新宿らへんの近いところじゃない?」と。

それくらい描写が似ていて、『君の名は』を観たくなりましたね。

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あとは何が良かったって、何度も繰り返すんですけど。

ぼくは「2人が出会わなくて良かったな」と思っているんですよ。これ、なんかもう。はじめから決して、ハッピーエンドを迎える世界観ではないなと思っていたんですけど、これがあまりに..

例えば、2人が出会っていたら「すごい狭い世界観で生きているんだな」とぼくは思ってしまうんです。

── 2人に変化がないということでしょうか

そう。しかも「高校のときもずっと想ってました」とか。なんか、こう。それは人生として違うなと思っていて、フィクションとしてもですね。

だから「こういう結末を迎えてよかった」と思いましたね。

女性が結婚して男性が引きずるというオチになっているんですけど、やっぱり恋愛というのは男性が引きずるんだって。

女性は吹っ切れて。

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「それは間違いない」と再確認した瞬間でした。

意外と女性は引きずらないんですよ。男は未練たらたらで生きていくんですよ。新海誠作品ってこういうところなんだろうなと思うんですよね。

考察させるところ

これが彼の作品にとっては1番大切なところなんじゃないかと思っています。「ほら、この作品いいだろう」ということではない。

『天気の子』も2回観ましたけど、世界中をとるのか、彼女をとるのか、ここがまさにそうですよね。究極の2択、どっちを選んだ方がいいのかと。

あとはたぶんみんなが言っていることで、ぼくもそうだなと思ったのは天気で人の感情を表現していくところです。雨が降ったり、雪が降ったり、晴れだったり。そういう描写によって彩りを作っていくというのを、分かりやすく観させてもらった作品だったと思います。

あとは、好きなセリフがあって。


1000回メールしても1cmぐらいしか近づかない


「ああ、めっちゃ分かる」「回数じゃないんだよね」みたいな気持ちになりました。気になるときは、めちゃくちゃ連絡する。気にならないときは適当で、LINEもあとで返したり。

例えば、優先順位が1番なものに対して、2番目以下がくるのは気にならないんです。ただ仮にそれが1番になってしまった瞬間、これまで1番だったものが手につかなくなってしまうじゃないですか。

ぼく絶対に「恋愛を優先順位の1番にする日は来ない」と思っていて。

── ひしひしと感じますね、それは

え、そうですか?(笑)

── 作品の感想を伺う機会をいただいているので、さすがに分かりますよ
きっとnoteを読まれている方にも伝わっていると思います

そうですか。恋愛は大切なことだとは思いますし、でも、ぼくを形成しているのは結局..

あ、ぼくも人間的感情はありますよ。
一応言っておきますけど。

ただぼくを形成しているのは、結局仕事がメインなので。そういった意味で仕事に影響がある、悪影響がある、集中できないこと、というのはなるべく排除していこうと思っていますね。

作品に話を戻すと、最後まで『秒速5センチメートル』の意味はやっぱりよく分からなかったです。なんか、こう、アテが外れていますけど「MajiでKoiする5秒前」じゃないですけど。なんか、もうちょっと、その。

「分かりやすい秒数で言ってくれてもいいんじゃないの?」って(笑)。

──『秒速5センチメートル』は語感も含めた「エモさ」なのかと思っていました

ああ。それでいうと、ぼくは「エモいっていう感情は、自分のなかで消化しきったときにはじめて生まれるものだ」と思っているんですよ。

この映画はエモかったと思うし、その1つ1つのシーンは好きだったり、エモかったり、いろいろ感じることはあるんですけど、

『秒速5センチメートル』という言葉よりも「1000回メールしても1cmぐらいしか近づかない」の方が、ぼくにはピンときましたね。



こんな感じですかね。淡い切ない映画でしたね。
それではまた明日!



最後に。(やっぱり毎回言おうと思います)
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あと(追加!)、人生相談というnoteを書きました。ちゃんと回答していきたいと思うのでぜひあれば書き込んでみてください。

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