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歩行分析を理解する!歩行動作の基本が詰まった教科書

みなさんこんにちは。
理学療法士の荻尾です。

普段は大阪の江坂でピラティススタジオを経営しています。

普段から周りで歩いている人を見ると、いつも歩行分析をしています。
一緒に歩いている妻に、『あの人の歩き方、どこが悪いと思う?』と質問をいつもしています。そろそろ嫌われそうですが・・・・

雑談はこれぐらいにして、

今回は歩行分析について話をしていきます!
最初に話をしておきますが、歩行分析ができるようになるには、ひたすら歩行観察をして、分析する(仮説検証作業をする)ことが重要だと思っています!
なので、学生の頃はよく大阪駅や人が多く集まるところに行って歩行観察をしていました笑

そこそこやばいやつですよね・・・

では歩行分析のための歩行の基礎知識の話をしていきます!

歩行の運動パターンは??


歩行ってどのような運動パターンかわかりますか?

1番わかりやすい例えが、倒立振り子です!

倒立振り子は、支点を中心に末端が動きます
これが人間の歩行の運動パターンです

上記の画像で、支点が足関節、棒が下肢、重りが重心で例えて見てみましょう
重りが支点を中心に動く時は、低いところから高いところへ、高いところから低いところへ動くときです
つまり、位置エネルギーを運動エネルギーに変換して動く時です

短なもので例えるとジェットコースターを想像してください!
ジェットコースターは高いところから低いところへ移動した時に前に進みますよね??
それと同じで
人間が前に進む時も重心が高いところから低いところへ移動した時に前に進みます!

なので歩行において、獲得することが最も難しい"前に進む”という行為は、重心を上に上げる必要があるということです

矢状面から観察し、重心の上下移動の幅は約2センチと言われていますが、その細かい重心移動が歩行で前進するためには重要だということですね!

歩行には主に2つの周期があります
立脚相(60%)
遊脚相(40%)
※立脚相の最初と最後には両足が地面につく瞬間が存在する(10%)

上記からみても歩行は立脚相に着目して動作観察、分析をした方がいいですね!

それではここから実際の歩行周期を細かく1つずつ見ていきましょ〜

歩行周期


①踵接地期
②荷重反応(応答)期
③立脚中期
④立脚後期
⑤前遊脚期
⑥遊脚初期
⑦遊脚中期
⑧遊脚後期

①踵接地期

歩行周期の始点と終点に値する

足関節→底背屈0°
膝関節屈曲ほぼ0°
股関節屈曲20°〜30°程度

上記のアライメントで踵から接地する

反対側の下肢は前遊脚期にあたる

踵接地期の役割:床半力の衝撃吸収をするためにアライメントを構築すること

アライメントを整えて踵から接地することが最も重要であり、歩行のスタートになるため、ここでアライメントがずれて歩行を実施してしまうと、以降の立脚相に何かしらの影響を与えてしまうため重要な歩行周期になります!

重心は両足の間で体幹の中央を通ります

②荷重反応期

全部で2回(10%)あるうちの第1回目の両脚支持期である

踵を中心とした回転運動により、身体重心が前方に移動する

足関節→5°底屈
膝関節→15°ー20°屈曲
上記のアライメントで床半力の衝撃を吸収する

荷重反応期の役割:衝撃の吸収、安定した荷重、体重支持、前方への推進

前方へ重心移動するために重要な歩行周期となります!

重心は立脚側に移動し、骨盤は遊脚側に5°落下する→トレンデレンブルク歩行ではないので注意!


③立脚中期(1番重要!!)

足関節が回転軸となって重心が前方へ移動する→アンクルロッカー

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