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”以心伝心”

 フランス人は、自分の権利を言葉ではっきり主張します。考えていることを、自分の言葉でしっかりと表現することが必要なわけです。例えば、朝、近所の人とすれ違ったりした時、はっきりと”ボンジュール(おはようございます)”と口に出して言わないと、大変な誤解を受けることもあります。日本のように、以心伝心、会釈だけで心が伝わるということが難しく、口で言わないと、「おはようも言わなかった!」と機嫌を損ねかねないわけです。

ビジネスの世界でも、はっきり言葉で”表現”することの必要性を強く感じることがあります。めまぐるしく、せわしく流れる時間の中で、大げさなくらいに、”ありがとうございます”、”よろしくお願いします”と、大きな声でアピールすることが必要な場面が毎日のように出てきます。そして、はっきりした言葉遣いで声に出して言うがゆえに、相手にしっかりと印象付けられ、また次の商談へとつながったりします。

ビジネス界では、日本人の謙虚さはしっかりと伝わりません。社長は、社員をほめる時には、きちっと言葉でほめることが必要です。照れくささを越えていただくのが社長の仕事です。成績の悪い時には、社員の行動のどこがどう悪く、ではどうしたらよいのかをあくまでも具体的にはっきり伝えることが不可欠です。抽象的な言葉では、社員は動きません。

 何事もはっきり表現する、活気のある人間、明るい人間、積極的な人間は誰からも好かれます。

 ですが、時折、すべてがあまりにドライに感じられて不器用さが懐かしくなる時もありますね。日本には、言葉以外の多くの事柄が伝わるだけの繊細な文化があるということをたいへんすばらしことだと思います。

 3日間ぐらい、何もしゃべらずにボーっとくつろいでみたい気がしますが・・・"

分かりやすく経営に対する思いを伝えたい