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世界はすべてバラエティになる

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cakesで連載の「世界はすべてバラエティになる」12回よりこちらでやっています。基本無料、ときどき有料です。 「どんどん世界は多様化(Variety)する」という意味と願望と…
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2018年9月の記事一覧

第57段「テレビ局はなんで同じタレントばかり使うんだろう?」

第57段「テレビ局はなんで同じタレントばかり使うんだろう?」

あるタレントが朝のA放送局のワイドショーに出て昼にはB放送局のワイドショーに出演。

で、同じようなトピックを同じようなテイストでコメントしてる。

それって、そのタレントだけでなくテレビ自体の寿命を縮めてる。

でもタレントさんは来た仕事は仕事だから受けるし、A局もB局も番組のスタッフは自分の番組だけ考えてキャスティングしてるだけ。

つまりこのテレビの劣化は多分阻止できない。

「テレビ局はな

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第56段「『努力、友情、勝利』を生み出す『気概、根性、体力』」

第56段「『努力、友情、勝利』を生み出す『気概、根性、体力』」

遅ればせながらNHK『ボクらと少年ジャンプの50年』録画で見た。

漫画家の苦悩、編集者の苦悩、ボクらテレビマンが毎週放送出すときの苦悩と共通するものを感じた。

何かを産み出してそれを届けるというのは、気概と根性と体力が圧倒的に大切なのだ。その3つのどれかが無くても作品は産まれない。

つまり、少年ジャンプの作品の中の「努力、友情、勝利」を生み出すには、作り手の「気概、根性、体力」が必要なのだ。

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第55段「スケジュールという不自由」

第55段「スケジュールという不自由」

打ち合わせのスケジュールを土壇場で決めると関係者の日程調整が難しいから、結果欠席者が出て、打ち合わせ自体のクオリティが下がる。
だからって、早目に決めても関係者の不確定要素が高くて、近づくとドタキャンになったりして欠席者もでる。
難しい。
打ち合わせの日程はいつ頃に決めるのがよいのだ?

これが何かの本番とかだと流石にドタキャンしないからむしろ大丈夫なんだけど、準備段階とか検討段階の打ち合わせだと

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第54段「感情の論理」

第54段「感情の論理」

感情的にならずに論理的に話そうよ、ってもめた時よく聞くんだけど、感情的な時の感情的な人の論理は大体感情的だから、むしろ論理的に諭されても感情的にしこりが残るし後を引く。むしろ感情的に諭された方が納得する気がする。この人間社会も人間個人も本来感情にものすごく左右されるものだから。

なので論理的に辻褄が合ってれば他者の感情を害そうが傷つけようがどーでもいい的な論理で話されると、その人がどんなに賢くて

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第53段「濤の声を聴いた」

第53段「濤の声を聴いた」

美術展が好きなんだけど、その作品を観てるとトリップするというか、日々気にしてる些事なんてどうでもいいっていうか、気にならなくなる瞬間があって、今日京都国立近代美術館で観た東山魁夷の唐招提寺障壁画の『濤声』は、その海に包まれて溶け込まれてしまうようだった。それでよいと思った。

すごい売れるとか認知されるとか話題になるとかヒットするとか儲かるとか世に広まるとか、勝つとか負けるとか、僕の職業柄そんな“

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第52段「決まらないから決めつけない」

第52段「決まらないから決めつけない」

昔好きだったけど、そのうちあまり好きでなくなり、また最近好きになった、みたいなことって僕はよくある。
例えば温泉がそうかな。
20代は秘湯にはまってて、30代になってどこ入っても同じじゃんとか思うようになって、40代でまたハマりつつある。
つまり人の好き嫌いなんて時々刻々ブレまくりなのだ。

あることに賛成も反対もある。
ある人に共感してるからって、その人が賛成していることでも、自分は反対だっ

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第51段「新しいメディアの実験を、新しいメディアで発信するという、新しい実験」

第51段「新しいメディアの実験を、新しいメディアで発信するという、新しい実験」

昨日のトークイベント、元いた会社の15年下の後輩が来てくれた、会うのは10年ぶり。
テレビメディアへの危機感を感じてて僕の著作を読んでくれて関心を持ったかららしい。
話してみると、それくらい下の人たちは皆危機感を持ってる。
でもその危機感が組織の上へ上へ行くと消失してしまうことが組織の一番の危機。

テレビメディアの危機感は僕も2005年から持ってて、そこから約10年は組織の中で警鐘したり、同志

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第50段「広さと深さか? 広さか深さか?」

第50段「広さと深さか? 広さか深さか?」

佐渡島庸平さん井川啓央さんと小説を産み出すカフエマメヒコでのトークイベント。
佐渡島さんの話いつもグッと来る。

なぜ作家は作品を生み出すのか?→書いてるとキャラクターをもっと知りたくなるから。
そして本物の作家はキャラクターを一瞬で立ち上げられる。
そしてその立ち上げ方は、編集者には教えられない領域。

A「誰でもわかる」という広さとB「わかる人だけわかる」という深さは両立できるのか?

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第49段「人生の実験」

第49段「人生の実験」

勝ちとか負けとか、強みとか弱みとか、効率いいとか悪いとか、そんな話ばっかだな。
そんなのどっちでもいいよってところにも価値があるかもしれないのに。
全てのことにレベルメーターをつけて、そのメモリの強弱でしかモノゴトが判断できないってこと自体が、結果負けだし弱みだし効率悪いと思う。

多分、今僕は人生の実験をしている。
こうやって生きられるのか?
これをやらないで生きていけるのか?
という実験。

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