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孤独の星の下にうまれた話

25歳と6ヶ月。恋人いない歴=年齢。
友達0人、LINEの友だちは片親と職場の人のみ。

小さな頃から引っ込み思案ですみっこにポツンといるようなタイプ。
2人1組になると必ず余っていた。
相手から話しかけてもらわないと誰とも喋らない。
誰かに誘ってもらってやっと仲間に入れた。

団体行動経験不足で、部活も同じクラスの仲良しグループでもどこに所属しようとも決して関係は長く続かなかった。

自身を偽るのが辛くてそっと抜けたり、気付いたら仲間外れにされていたことも何度かあった気がする。

しかしながら、露骨なイジメを経験することなく、16年という長い長い学生生活を終えることができた。


♢最初の親友

幼稚園から小学1年までは、向かいに住んでいた男の子とお互いの家を毎日のように行き来していた。
絵本を読んだり、テレビゲームをして遊んだり、時には夜遅くまで野良犬の介抱をしたりして、心配した親が私たちを捜しにくることもあった。

その男の子を仮にAとする。
Aの家は、玄関を開けた瞬間から獣臭がした。
一歩踏み入れると大量のおがくずが家中いたるところに散らばっていた。
大きなモルモットを飼っていたのだ。
家に帰って脱いだ私の靴下はいつも真っ黒だった。 

Aは肉が嫌いだった。
給食で肉料理が出ると、銀の器には丁寧に箸で避けられた小さな茶色い塊が残っていた。

ある冬の朝、教室に入ると机に顔を伏せたAの周りに人だかりができていた。
話を聞くと、モルモットが回し車に挟まって事故死したとのことだった。
幼い私は、何も言葉が出てこなかった。

小学1年の終わり頃だったかと思う。
突然Aが転校することになった。
Aの両親が離婚し、Aは父親と共に家を出た。
家を引き払い、母親も出て行ってしまった。
Aの家はおがくずを残したまま空き家になった。

これは後から親に聞いた話で、当時の私は気づかなかったが、Aの両親は元から仲が悪かったそうだ。

Aは同じ市内にある小学校に転校したため、数年後にファミレスにて離れた席に父親と祖母と3人で座っているのを見かけたが、私は話しかけられなかった。
向こうも気づいていたのか今となってはわからない。

♢最後の親友と最後の恋

それから約11年間、仲のいい友達はできることは度々あったが、どれも関係はあまり続かなかった。
小学1年の頃から高校3年まで同じ学校に通っていた奴もいた。お互いのことを何でも知っていた。いわゆる腐れ縁だと思った。
しかし、大学生になるとパッタリと付き合いはなくなった。
もう7、8年会っていない。どこで何をしているのかも知らない。
もし何処かで出会うことがあれば気兼ねなく話かけられるくらいの関係だとは思う。
ただ奴はあだ名が多すぎて、何と呼んでいたのか正直思い出せない。

大学1年の春、最後の親友Zができた。
そして私は同じ学科の先輩に一目惚れをした。
まさに恋は盲目。
Zはその先輩が映った動画をくれたり、FBのアカウントを教えてくれたり、話しかけるきっかけを作ってくれたりした。
当時のことを思い出すと死にたくなる。
しかし、その恋心も半年で消滅してしまった。
恋に恋する自分に飽きたのだ。
それでも、Zとの関係は続いていた。
Zには何故だか何でも話せてしまった。
私の求めていた包容力があったのだ。

Zは駅前のマンションに一人暮らしで、数ヶ月間SNSで知り合った知らない男と一緒に暮らしていた。

大学2年になってしばらくするとZは学校に来なくなった。
LINEを送っても返信はなし。
数ヶ月経ったある日、食堂で外の景色を眺めているとZがゼミ室の方向へ歩いていくのが見えた。
慌ててZの元へ駆け寄ると大学を中退するとのことだった。
何となく察してはいたが、本人の言葉で聞くとショックだった。

ZはLINEの友だち一覧から消えていた。

私は社会人になった。
これから先も友達はできそうにない。
1を増やすことはできても、0を1にすることはとても難しい。

孤独死まっしぐら。

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