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モーツアルト:2人のおばあちゃんのための協奏曲(K365)

アルゲリッチとピリスの競演です。

大柄で手の大きいアルゲリッチと、小柄で手の小さいピリスの弾き方の違いがわかって、僕は面白かったですね。

アルゲリッチは手首の重心が低くて、鍵盤からやや距離をとって弾く感じですが、ピリスは、指が短い分、手首も体も前に出て、鍵盤を上からつかみ、前後に動きながら弾く感じ。簡単に言うと、アルゲリッチは横から弾いていて、ピリスは上から弾いている。

手の小さい僕にはピリスの弾き方がすごく参考になりました。もちろんあんなにうまくは弾けませんが。

アルゲリッチは他のピアニストとの競演を好みますね。キーシンやバレンボイムともモーツアルトをやっていた。相手がそういうピアニストだと、どうしても互いの競争心を感じますが、ここでは第1ピアノがピリスで、アルゲリッチもおとなしく従っている。おばあちゃん同士が平和に共演しているほのぼの感がいいですね。まあそれも、決して簡単ではないこの曲を、どちらも軽々と弾いてみせるからこそ、そう見えるのでしょうが。

とにかく、アンコールの4手ソナタまで含めて、モーツアルトっていいなあ、いい曲だなあ、と堪能しました。

ハーディングの指揮もよかった(スイス・ロマンド・オーケストラ)。メインプログラムのマーラー「巨人」もよく、こんなコンサートを温かい部屋で楽しめて、僕には何よりのクリスマスプレゼントでした。

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