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左翼2世 〜親は左翼でも子は育つ

統一教会問題で、宗教にのめり込んだ親を持つ子の問題、「宗教2世」問題がクローズアップされました。

それなら、「左翼2世」問題もあるのではないか、と思った次第。親が左翼で子供が・・というパターンです。

「左翼2世」と思われる人を調べてみました。


有田芳生

統一教会問題でジャーナリストとして再び脚光を浴びた立憲民主党の落選議員、有田芳生氏の父親は、共産党の活動家だった有田光雄。左翼2世ですね。ヨシフという名前がソ連の独裁者ヨシフ・スターリンから取られたことは有名な話。

津田大介

父親の津田公男氏は社会主義協会の活動家。日本社会党副委員長だった高沢寅男の秘書を務めました。津田大介氏は、中学生時代に「赤旗」を読んだことが「物書き」になるきっかけとなったと述べている(Wikipedia)そうで、立派な左翼2世です。

望月衣塑子

望月氏の父親は業界紙の記者だったそうで、それで衣塑子氏も記者を志したそうです。父親が左翼だったかどうかは分かりません。

青木理

青木理氏は、自分は『安倍三代』を書いて、安倍晋三氏の出自を執拗にイジっているくせに、自分の出自については注意深く隠しています。父親などの情報がネットで出て来ません。ズルいですね。世論に影響力を持つ有名人なんですから、誰か「青木三代」を書いてほしいです。

(本多勝一氏や辺見庸氏もそうでしたが、左翼は敵のことは公私かまわず批判してテロの標的にさらすのに、自分については情報を徹底的に隠して標的にならないよう細心の注意を払う。例えば本多氏や辺見氏はいつも素顔を隠していた。それに左派マスコミも協力する。勇ましいこと言ってるわりに臆病すぎてズルいしダサい、とマスコミ内でも批判がありました)

望月氏のように、記者の2代目というのは、マスコミには意外に多いんですね。私も新聞社にいた時に初めて知りました。3代目なんかもいる。

親が記者というマスコミ人は多い。経済評論家の森永卓郎氏、コメンテーターのモーリー・ロバートソン氏の親は、どちらも毎日新聞記者です(モーリー氏の場合は母親)。

新聞記者は、明治時代から社会主義者が多かったし、一般にインテリで反権力を気取るので、左翼率が高いです。

なお、右翼の2代目ということでは、先の参院選で脚光を浴びた参政党の赤尾由美氏は、大日本愛国党の赤尾敏の姪でした。

以上挙げたような人は、2世であることを肯定的に受け止め、立派に活躍して有名になった成功者です。

私が知りたいのは、安倍氏を暗殺した山上徹也容疑者が、親が宗教にのめり込んで苦労したように、親が左翼で苦労した2世の話です。

いくつかは知っています。

法哲学者の井上達夫・東大名誉教授の父親は、大阪・住友金属の工員で、組合の活動家でした。その活動中に経営幹部を殴ったことでクビになり、一家は貧窮することになります。父親はその後、酒とギャンブルに耽りました。(井上達夫『生ける世界の法と哲学』p476)

井上氏は逆境をはね返して東大教授になったわけですが、父親が反面教師になったのか、リベラリストの中でも左翼に批判的な立場を取っています。

ショスタコーヴィチ7番の歴史的初演を題材にしたノンフィクション『グッバイ、レニングラード』を書いた小林文乃氏は、1991年、小学生の時に、「TBS子供特派員」として崩壊直前のソ連に渡りました。それには、左翼だった両親の影響があったことを同書に書いています。

理想家肌で、ソ連に憧れを持った父親は、やはり酒に溺れて家族は困窮していたようです。小林氏自身は政治とは距離を置いた出版人になりました。

私のように、親に学歴も思想もなく、貧乏だが善良な家庭に育った者は、親が左翼インテリだったりする家庭に憧れたりします。

しかし実際には、親が左翼であった人は、苦労した人のほうが多いのではないでしょうか。

私のような無思想・無宗教家庭に育った人間からは、左翼も宗教も同じに見えます。本人はその信念で困窮しても本望でしょうが、家族や子供はどうなのだろう、と考えてしまうのです。

左翼として育った子供が、思想的反発から、正反対の右翼になるストーリーは、大江健三郎の「セブンティーン」を理念型として、現実にもありそうです。

親が左翼で苦労した子供が、「自分が苦労したのは左翼思想のせいだ」と、左翼政党幹部にテロをおこなう、ようなことは絶対に起こってほしくないですけどね。



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