小沢一郎のダメなところ 甘利明の良いところ

選挙区で落ちた小沢一郎は、記者会見場に結局現れなかった。

これが小沢のダメなところなんだよなーと思った。

野党共闘は小沢の企てだろうとみんな思っている。枝野だけで推し進められるはずがない。

3・11の時もそうだった。

陸山会事件の時もそうだった。

いざという時に逃げる。オモテに出て弁明しない。かっこ悪い姿を見せない。そういうところが、親しみの持てないところだ。

枝野ひとりを矢面に立たせてーー卑怯に思える。

一方、私もそうだが、甘利明を同情的に見ていたオヤジ世代は多いのではないか。

彼は逃げられない立場であり、上司である岸田とか麻生とかの横にいなければならなかった。

布団をかぶって寝たいところ、テレビの司会者に答えなければならず、情けなくて泣きたい気持ちでなかったか。

中年サラリーマンなら、みんなそういう体験がある。

失敗したり、追い込まれたりして、自分がカッコ悪い姿を、みんなの前にさらさなければならない。

しかも甘利は70代だからね。あの年になっても、あんな目に遭わなければならないのか、と。日本人全員の前で恥をかいていた。

勝ち誇ったように吠えるテレビの若いコメンテーターに対し、涙目で答えていた甘利に、心の中で「がんばれ」と声援を送った中高年は多いはずだ。

いかにも冷たい目線の上司、岸田の横で、最後まで逃げなかった甘利が、前ほど嫌いでなくなった人は多いはずだ。

ある程度、年をとると、悪いことをしたかどうかとかはどうでもよくなる。

やっぱり、同じ人間として共感できるかどうかだから。

そういう、意図せざる「印象」の点でも、自民は勝ち、立民は負けていた。

野党は「批判ばかり」と非難されるから、これからは「提案も」とか、そういうことではないんだな。

「人間」を見せろ、ということ。「批判ばかり」がなぜダメかといえば、人間味がないからだ。苦労して恥をかいているところも見せれば、印象は違ってくる。

国民民主党の玉木も、あまり笑顔を見せなかったところは良かった。

勝者淡然、敗者泰然、つーてね。

勝った人は、淡々としないといけない。嫉妬や反感を呼ばないように。

そのあたりは、経験豊富だからよくわかってる感じだ、政治家は。


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