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雨が降ってきた

今日は朝から雨。

雨だからあの、青の、空ではない。

「雨かあ」

玄関の扉を少しだけ開けて雨が降っているか確認するように空を見た。天気予報で雨の予報を見たはずなのに。靴箱から傘を出した。なぜかあの夢を見てから気付いたら空を見上げるようになってしまった。

今日は久しぶりの友人に会う。せっかくの日なのに、って思う人もいるかもしれないが実は私は雨が好き。

雨に濡れて木々の葉っぱがさらに緑が濃くなって見える。その様子を見ると植物達がなんとなく喜んでいるような気がする。人生を謳歌しているような、そう見えるのがとても気持ちいい。
横断歩道で信号待ちしながら雨の滴で揺れてる葉っぱを見つめていた。

雨…命の恵みなんだなあ。人間にとっても、生物が生きていくには必要不可欠なもの、水。私達にはとても身近にあるものではあるけれど、水というものは実は自然界では異常液体といわれるユニークで稀有な存在だ。

自然界の物質の多くは液体が固体に変化する際に密度が高まり体積が減少する。しかし水はそれとは逆に、液体から固体になると密度が小さくなり、体積が増加する。

0〜4度で密度が最大になる性質があるので湖や海の表面が氷点下で凍っても、その下の水は氷よりも密度が大きいため沈む。よって水は0〜4度の水温が保たれ、その氷下にいる魚などの生物は氷点下であっても生命を維持する事ができる。わざわざ生命活動が維持できる温度設定を水はしているのだ。また、比熱が大きく、生命の体温が急上昇するのを抑え、蒸発熱も大きく、気体になるまで時間がかかることで気温が上がってもすぐに海や川が干上がる心配はない。また、溶解力も大きく、塩や砂糖、味噌など物質と混ぜ合わせる事ができるのも実は当たり前のようで水だからこそできることだ。

水ならではの特徴はまだまだある。しかし研究では未だにわからない事が多いそうだ。

生命を生かすためにわざと作ったような特別な条件を持っている、魔法なような物質。

水の特徴をどんなに科学的に説明しても私たちには当たり前のように見える。氷が水に浮かぶ?普通じゃん。なんて実は当たり前じゃないんだなあ。

あ、せっかく信号が青になったのに気付いたら点滅し始めた。急いで横断歩道を渡った。

つづく


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