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今回は「日本の腰痛 誤診確率80%」という本をご紹介いたします。

この本は、腰痛の改善を目的に施術している先生方また、慢性的な腰痛で悩んでいる方に、ぜひとも読んで欲しいと思って取り上げさせていただきました。

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著者は医学博士で、横浜市立大学付属市民総合医療センターペインクリニック診療教授である北原雅樹先生です。

先生の専門は慢性の疼痛。それもなかなか治らない難治性の疼痛です。

本のタイトルに「誤診確率80%」と書いた理由を北原先生は以下のように書かれています。

「…患者さんが腰が痛いと訴えていても腰が痛いとは限らないのです。
診察した医師が腰痛だと診断したとしても、本当は腰に原因があるわけではなく、様々な原因から端に身体の不調を脳が腰の痛みだと勘違いしてしまうのです。

原因としては、生活習慣、家族関係、職場環境といった心理社会的なストレスなど、実に様々です。
腰が原因で発しているわけではない腰痛に苦しめられているのです。

他の病院で腰痛と診断されて、私のところに来られた患者さんの腰の痛みは腰以外に原因がある場合がほとんどです。
その経験からタイトルには星、そして80%と言う言葉を使いました。
…腰痛は腰の痛みである、腰の痛みでしかない。と言う痛みへの意識を医療関係者も、そして患者さんを変える必要があります。」

私がこの本を読んで、特に印象に残ったことや皆様にも知っておいて欲しい、参考になるのではないかと思うことを箇条書き形式で書き出していきます。
(以下は、本の一部を抜粋させていただきました)

・急性の痛みは、怪我や病気で体が傷ついたり、はれたりすることによって起こる痛みのことです。
何かがおかしいと体に知らせてくれるサインだと思ってください。
体にとって有用な警告システムです。

・コンピューターが不調になったときの原因としてハードディスクの破損など機械的な不調とアプリケーションが作動しないと言う機能的な必要があると思います。
大きく分けると前者の機械器質的な不調に当たるのは急性痛で、
後者の機能的な不調に当たるのが慢性痛です。

・人間の脳は1秒間に取り入れる情報は1000万ビッドとも言われます。
それに対して意識を処理できる量は100から多くても128ビッドしかないそうです。
という事は患者さんが常に意識を痛みに向けていれば、痛みが以外の情報に対処することができなくなってしまうでしょう。

・原因がわからない痛みは心因性では無い。原因がわからない痛みは原因がわからない痛みである。

・強いストレスをずっと受けたことで筋肉に痛みが起きこじれています。
身体的なストレス、心理的なストレス、様々なストレスが複雑に絡み合ってます。一つ一つを明らかにして対処する必要があります。

・自分の痛みは気のせいだと思われるのを激しく嫌がるのです。

・慢性痛には意識に割り込みを行い、意識を痛みから引き出すことが効果的です。
痛みに向かって集中している意識を、意識的に無理矢理痛み以外に向けることができれば痛みは軽減します。

・日本人は原因がはっきりとわからなければ病気は治らない、治せないと考える傾向が強いのです。

・食生活の変化などによって、腸内細菌。腸内フローラのバランスが崩れるとセロトニンやドーパミンの分泌に影響与えます。
すると感受性が変化するのでしょう。
セロトニンは痛みを和らげる効果を持っていますから、痛みを感じるようにもなります。

・生活習慣の改善が治るか治らないかの鍵。
痛みが治るか治らないかは患者さんの生活パターンが大きく影響します。
大きな要素は3つ、睡眠、運動、食事。

・ボトルのワインが半分になった時もう半分しかないと考えるか、
まだ半分あると考えるか。
慢性痛になりやすいのは明らかに前者のタイプです。

・欧米では交通事故の時など骨折などを調べるのに急を要する場合以外はレントゲンを撮る事はまずありません。
神経が圧迫されていたり、ストレスなどの原因から起こることの多い慢性痛にレントゲンは意味がないのです。

・画像で見ることが可能なものと痛みには必ずしも相関関係がありません。画像に写っている部分を見てそこに痛みがある、あるいはそこが原因になって痛みが生じているというふうには診断できません。
骨は治っても痛みは消えないというケースが多いのです。

・これまでの痛み治療の中で離婚を勧めたこともあれば、異動願いを出すことや転職を進めたこともあります。

・痛みを抱えた患者さんに必要なのは痛みに関する正しい知識と適度な運動です。

・医師もリテラシーを高めなければなりません。同時に患者さん方にもリテラシーを高めていただきたい。
※リテラシー:適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する

いかがでしたでしょうか?

私が印象に残った部分を抜粋して書かせていただきました。
ぜひ、慢性腰痛でお悩みの方、腰痛治療に携わる施術者の方には一読することをお勧めします。

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