プロダクト成長に不可欠な優れたバリュープロポジションをつくる4つのステップ
プロダクトを成長させていく上で、顧客に対して自社のプロダクトやサービスが提供する価値を明確に伝えることが重要だ。
ここで重要となるのが「バリュープロポジション」だ。
このnoteでは、バリュープロポジションとは何か、なぜそれを定めることが重要なのかについて簡単に触れつつ、優れたバリュープロポジションの作り方について解説していく。
バリュープロポジションの概要を既に知っている人は定義や意義は読み飛ばして最後のつくり方だけ読んで頂ければ幸いだ。
バリュープロポジションとは何か
バリュープロポジションとは、自社のプロダクトやサービスが顧客に提供する独自の価値やメリットを明確に示すものだ。
これによって、顧客はそのプロダクトやサービスが他社と比較してどのような特徴や利点があるのかを理解しやすくなる。バリュープロポジションは、ターゲットとなる顧客層に対して魅力的であり、競合他社と差別化できる要素を盛り込むことが求められる。
なぜバリュープロポジションを定めることが重要か
バリュープロポジションを明確に定めることが重要な理由は、主に以下の3つだ。
顧客の興味を引く
バリュープロポジションが明確であれば、顧客は自社の製品やサービスがなぜ良いのかをすぐに理解できるため、興味を引きやすくなる。競合他社との差別化
市場には同じような製品やサービスが溢れている。バリュープロポジションが明確であれば、自社の製品やサービスが他社と何が違うのか、どのような利点があるのかを顧客に明確に示すことができる。社内の共通認識形成
バリュープロポジションを定義することで社内でも自社の製品やサービスの価値や特徴について共通認識が形成される。そして、製品開発や改善の方向性が明確になり、マーケティングや営業活動の連携が取りやすくなるなど、社内のリソースを最適に活用できるようになる。
優れたバリュープロポジションのつくり方
優れたバリュープロポジションを作成するためには、以下のステップを踏むことが効果的だ。
ステップ1) 下準備
「キャズム」というマーケティングの名著で紹介されている以下のフレームワークを埋めることが第一歩だ。
その中で「誰の・どんな問題を・どうやって解決するか」という「顧客・課題・解決法」の要素に加えて、顧客から見た際の代替手段は何か、そしてその代替手段と比べて圧倒的に優れていることは何かを定義する。
ここで重要なのは、代替手段に対してなにが圧倒的に優れているかを明確にすることだ。
なぜならあなたのプロダクトがなくてもユーザーは他の手段でそこそこ課題を解決してしまっている。その現状維持バイアスを突破してあなたのプロダクトにスイッチさせるには代替手段に対する明確なベネフィットが必要だからだ。
課題解決が明確なプロダクトでも伸び悩むときは、往々にしてこの既存の代替手段への圧倒的優位性が描けていないケースが多い。
ステップ2) 既存の代替手段のデメリットを反転させる
次にステップ1で考えた既存の代替手段のデメリットに対してこのプロダクトがどのようにベターな方法を提供するかを考え、それをアクションステートメントの形に変換する。
以下はAirbnbやDropboxなどの実例に対して同様の思考プロセスを行ったものだ。
実はこの時点でバリュープロポジションは完成してしまう。
バリュープロポジションという仰々しい名前が付いているし、重要性は非常に高いのだが、実は上記の手法に従えば簡単につくれてしまうのだ。
以降はここまでで作成したバリュープロポジションをコピーライティング的にどのようにブラッシュアップしていくかの手法を紹介する。
Step3)ユーザーが抱きそうな懸念を払拭する言葉を添える
あなたが提案するソリューションが新しければ新しいほど、顧客は懸念や不安を抱くはずだ。
そこで、そうした懸念や不安を先回りして解消できるように、バリュープロポジションステートメントにそうした懸念を払拭する言葉を追加する。
以下の実例のように、Step2で作成したステートメントに対して一般の人々が抱きそうな懸念・不安・反対意見を書き出し、それを払拭するような言葉をステートメントに加えてブラッシュアップする。
ここまでで相当良いバリュープロポジションのコピーになっているはずだ。
Step4)ペルソナに刺さりやすい言い回しに整える
最後にここまでで作った文章をよりターゲットとする顧客層に刺さりやすい言葉にリファインすることを考える。
下の例のように、自分たちのサービスの顧客ペルソナを考え、その層に最も刺さる言い回しを考える。
まとめ
今回のnoteで紹介したような手順を踏むことで、あなたのプロダクトには、代替ソリューションと比較した際の価値が明確で、不安を先回りして払拭してくれて、かつ顧客の心に刺さりやすいバリュープロポジションステートメントが備わっているはずだ。
ぜひ自社のバリュープロポジションを定義し、コピーをつくる際の参考にしてみてほしい。
さいごに
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