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Hôtel Lutetia/パリ

ということで(前編:何故パリか?のお話はこちら)。私が初めての海外で、泊まったホテルのご紹介です。それがセーヌ川左岸サンジェルマンデプレ地区にあるルテシア「Hôtel Lutetia/Paris」。正直なぜそのホテルに泊まったか?と言えば、全くをもって私の意思とは関係なく、たまたまだったのです…あぁ、またやってしまっていた私の「たまたまサプライズ?!」

知らずに過ごしてしまったことを、後から知って驚いていることが多い今日この頃。その現実の前に知っていれば、その空間でのアンテナがもっと違っていたかも…と、振り返り思うのですが、今回の件に関しては時代が違いすぎる。今現在に、もし何故だか私がまたパリコレに行くことになったなら、ネット検索や事前調査もバッチリに行きます。少なくともホテルや空間デザインの情報も予習できます。

がしかし。当時は知らなすぎた…いえ、情報が少ない過ぎました。私が知っている限りのこのホテルの記憶と情報は、「角地に面したクラシカルな白い建物に赤いネオンサインのルテシア」←この情報だけで、今回調べて見たところ…の前にまずは検索ワード:パリ ルテシア。で出てくる画像が、赤いネオンサインじゃないのですよ。けれども全体のフォルムとイメージはそのものだから、たぶん、これだ。そこで分かってきたのが、改装!!しかも、かなり大々的な改装をへていたのでした。(何とか探したのが私の記憶のこちら:画像はhttps://www.air-travel-corp.co.jp/hotel.php?id=121より)

↓そして、改装関連の詳しい記事がこちら〜2014/4/16のパリAFP=時事より(すみません!ここでも個人的なサプライズ!たまたまですがこれ、私の誕生日だったりします。同じ日のこの記事が書かれているなんて、確率1/365。また勝手に運命を感じてしまいます)新しくなったルテシアにも行かなくちゃ!ですね。

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1910年に建てられたアールデコ調の建物、ピカソやドゴールも宿泊

フランス戦後体制を築いたドゴール将軍や、画家のピカソ、小説「狭き門」の作家ジッド、「星の王子さま」のサンテグジュペリ、「ユリシーズ」のジョイスらが宿泊したパリの高級ホテル「ルテシア」が14日から、改修工事のため休業入りすることになった。工事期間は3年。パリの高級ホテルでは、クリヨン、リッツ、プラザ・アテネなども改装で休業している。
 セーヌ川左岸サンジェルマンデプレ地区にあるルテシアは、1910年に建てられたアールデコ調の建物で知られる。2010年にイスラエルの不動産グループが買収した。改修工事に先立つ2月、ホテル所蔵の美術品約100点やワインなど酒類約8000本が競売された。(パリAFP=時事)
ちなみにホテルの内部は2012年1月に歴史的建造物の指定を受けました。再オープンは2017年5月ごろの予定です。(画像/記事:http://jp.france.fr/ja/news/115819より)

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ということだったのですね。だから、今のデザインが私の記憶とは違っているのでですが、それにしても3年の改装期間だったとは!ほぼ全面改装を経ていたのです。室内も今風のモダンなデザインになり、設備も一新されているようです。歴史的なホテルの悩ましいところだと思うのですが、伝統的な良さと現代的な設備の必須。買収されるなど大きな経営判断の結果から生まれ変わったのですね…そして、私は思うのです。私が宿泊したルテシアは、長い歴史の中にあった、そこであったのだ!と今更の感動。(と今回はじめて知ったのですが)

丁度、先日に早速本屋さんに行った時、ふとジッドの「狭き門」が光って見えてた。そう言えば昔、だいぶ昔に読んだなぁ。もう一度なんだか読みたいなぁ。と心の中でしっかりと呟いていたばかりだったので、またここでつながりサプライズ!だって、ある小説家が宿泊したホテルに知らずに泊まってて、その作家の作品を読み、また読もうと思って、実はほんの僅かでもリンクしている接点がある。しかも遠く離れたフランスで??パラレルワールドの物語が書けそうかも。(しかも「門」なんだ!本が光って見えるお話も…。最近書いているのよね)

そして、話をホテルに戻して。全面改装されてしまったので、私の当時のインテリアレポはもう体験できない世界になってしまっていますが、ご参考に書きますね。その時のルテシアホテルの内装は、ソニア・リキエル/SONIA RYKIELが手掛けていたと聞いていました(事実検証を探りましたが詳しいところ不明ですが、ソニア・リキエルの経歴の中には、確かにホテルの内装デザインも手掛けた。との記載があります)

ホテル全体は確かにエントランスやパブリックスペースはアール・デコ調だったが、客室内はクラシカルな印象。直線的で寄木模様の美しい家具で揃えられていて、色調はベージュを基調とした中にオリーブグリーンと臙脂色と濃紺を織り交ぜたようなファブリック。ソニア・リキエルらしいコントラストの強い配色よりも、伝統を大切にしたしっとりと穏やかな空間になっていました(ソニアが手がけた!と聞いていたから、そう観察できたものの。その情報がなければ、彼女に空間とは思わなかった。と感じます)

■Essence in life~暮らしの中へのエッセンス

調和。今になって思うのです。あの空間をソニア・リキエルが「自分らしさ」を排除して作ったのではないか?という推測。当時は特にここには歴史的な背景があり、そのホテルらしさがあったのでしょう。それを大切にしながら、自分らしさをプラスするならば、パターン(柄)・色合い・素材感。もしもあの時、ソニアらしい大胆な空間にしていたら、全く違うホテルの印象になっていて、ルテシアの歴史も変わっていたかもしれません。空間を創る時、その背景・過ごす人々・歴史・文化などなど。多角的に考えます。歴史的な空間はその積み重ねが、そこにあると思うのです。深呼吸して肌で感じてみてください。

 所在地:45, boulevard Raspail, 75006 Paris, France



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