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僕のメキシコ生活② ~先生なのに、先生をしない?!~

こんばんは。今、メキシコのグアダラハラは夜12時です。

前回の続きでメキシコに来てからのことを書いています。
もしよければ、まずそちらの投稿から読んでいただけると嬉しいです。
昨日の投稿はたくさんの方に「スキ」をいただきました。
本当にありがとうございました。励みになります。


昨日は、メキシコにどうして来たかとそれまでの経緯を簡単にまとめた。
今日は僕がメキシコでしている日本語教師という仕事について少し話をしたい。

2018年の11月に仕事がスタートし、最初は他の先生のクラスを見学することになった。学生はどんな人がいるのか、どんなクラスをしているのか、ドキドキとワクワクが自分の中に入り混じっていた。1か月くらい経って、単発でクラスをするようになり、次の学期からは一つのクラスを任されるようになった。

使っている教科書は、できる日本語

各課ででてくる文法はみんなの日本語と比べると少なく、それよりも会話ができるようになることを想定された教科書だ。各課でテーマも決まっているので、それに合わせた文法テストや会話テストも行っている。

他の教科書はあまり使ったことがないが、教えやすいと思う。

そして、基本的に僕が働いている学校では、クラスのスケジュールを作ったり、授業の進め方を決めたりするのはすべて担当している先生の仕事。学生が習ったことをアウトプットできるように活動を考えるのも先生の仕事。毎週スケジュールに従って、担当することになっているクラスの活動を考えている。

今週も考えて、実践してみた。

<今週やってみた活動>
足し算の活動(初級の学生、まだ始めて1か月)
数字を覚えたばかりの学生に簡単な足し算をしながら数字(1~10)に慣れてもらおうと言うもの。言い方(例: 1+1=2など)は事前に教えておく。
たいだいの学生はクラスで勉強する前に、1~10くらいまでは知っていたので、割とスムーズに行った。中には算数自体が苦手な学生がいたので、苦労していた。
・て形を使って、食事のマナー(できる日本語初級 第7課)
ご飯、みそ汁、はし、さらにはおかずの置き方などを読解にして学生に読んでもらう。その後、おぼんとご飯やみそしるのイラストが印刷された紙を使って、読解にあるように置き方を正しく書いてもらう。
て形と前、後ろ、右、左などの位置詞も習っているので、クラスメイトと協力しながら楽しくやっていた。活動を通して、料理の置き方や食事のマナーという日本の文化に触れてもらうのも狙い。
ちなみに、て形というのは「来て、話して、書いて」などのように動詞の活用で「て/で」で終わるもののこと。
・先輩後輩の文化の理解を深める(できる日本語初中級 第9課)
ちょうどこの課のテーマが「アルバイト」で、先輩後輩の会話がよく出てきていたので、学生に日本の本当の先輩後輩について考えてもらった。読解を作ったので、前後でディスカッションを挟みながら進めていった。
学生それぞれが自分の思うイメージと読解で新たに知ったことを上手く使いながら、自分の意見が言えていた。

だいたいいつもこんな感じでアイデアを考えている。アイデアというのは出る時はすっと出るが、出ない時は何をやっても出ないものだ。

しかし、来てくれた学生が「お!日本語っておもしろい!もっといろいろなことが知りたい!」と思ってもらえるように、常に何かにアンテナを張っている。どこにアイデアが落ちているか分からないからだ。

自分の中のスタンスとしては、先生というよりも仕掛け人といった感じだ。

そう。仕掛け人。言うなれば、マジシャンのような存在になりたい。

だから、僕はあんまり自分のことを先生と思ったことはない。○○先生と呼ばれることも好きではない。別に○○さんでいい。もしくは、呼び捨てでも構わない。

もちろん文法の説明やら言葉の使い方、そういうのもちゃんと教える。
学生が間違えれば、次から間違えないように指導もする。

だが、できるだけ「先生をしない」ということを心掛けてる。

なぜならどんな学生にも自分のスタイルがあり、考える力がある。
先生の言うことだけを鵜呑みにしてほしくない。
自分自身も先生という立場に胡坐をかきたくない。

そう思っているからである。

あくまでも脇役に過ぎない。主役は学生であり、彼ら一人一人の「EL camino del japonés(エル・カミ―ノ・デル・ハポネス、日本語の道) 」を作るお手伝いができればいいと思っている。

先生なのに、先生をしない!?

それはとても難しいことではあるが、決してできないことではないと思う。

この3年間ずっとそう思って仕事をしてきたし、この思いはずっと忘れないでいたい。

昨日、日本語教師はなりたくてなったわけではないと言ったが、やる以上はとことんやりたかった。

2011年の自分に笑われないように。

続きは次回、




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