#13 正しいのはなにか.

海外にいると,日本と欧州の違いについてよくわかる.

僕自身日本の情報収集に努めているし,果たして留学中にこの姿勢が正しいことなのか定かではないけど,でもそのことによって見えてきたものもある.

そしてこの文章は,”誰が正しい”ということを論じるものではない.おそらく僕が今感じていることは日本にいるだけでは到底気づけなかったことだと思うし,ましてこのような人生に一度や二度あるかのような出来事の最中,日本ではない場所で時間を過ごすことができるのは不謹慎かもしれないけど,ある種チャンスだと思っている.また新たなことを学ぶことができたから.

僕はこの事実を伝える必要があると思ったからここに残しておく.繰り返し言うけど,これは正しいこと,間違ったことを議論するためではなく,より多くの人に外の様子を知ってもらうために残しておくことである.

それが他の誰かの学びに結びつくと信じているから.

 同じ出来事に対する認識の違い

今,世間を賑わせている新型コロナウイルス.それの対応は各国様々である.日本でも法律が整備されたり学校が休校になったりと,対応がなされているのは知っている.

そしてついに,その猛威はヨーロッパにもやってきた.そしてやはりそれに対する施策が次々に出されている.

状況は日々刻刻と変化しており,日本外務省からのメールが日々到着してはその変化を知らせてくれているのが現状だ.留学仲間も学校からの要請で帰国を余儀なくされたりと,今週はかなり慌ただしかった.

そして驚くべきは欧州各国の対応の速さ.国連がパンデミック宣言を出した次の日には各国が国境を閉鎖し,一週間でEU全体の閉鎖が決まり,施行された.

日本のそれと比較するとこの速さは目を見張るものがあった.現在は外出制限を下している国や地方も存在する.果たしてこの施策が適切かどうかなんて誰にも分らないけど,同じ出来事に対してこれだけ認識の違いが発生するということを知る,これが大切なことだと僕は思う.

そして国民レベルの認識の違いにも日本のそれと大きな違いがあると思う.昨日,メルケル首相のコロナパンデミックに対する声明が発表されたが,国民は政策に協力することを厭わないとドイツ人の友人は教えてくれた.

間違っていることがあれば僕らは声を上げることができるし,正しいと思ったことには従う.

勿論これも友人の一意見に過ぎないし,これが一般論だなんて思わない.だけど”ドイツ”という国の一面を垣間見たような気がした.ドイツ人カッコいい.

自分の国のために俺は頑張っているんだぜ,一人一人が国というチームの一員であることを強く認識しているからこそこんな声が上がってくるんだろうな,と思った.シンプルに羨ましい.チーム,一体感,国に対してこんな感情が湧き出たことは僕は今まで一度もない.

だからドイツでもレストランの営業制限(18時に全てのレストランは閉まる)が発表されたり,5人以上の集会を控えるように注意が上がっているけど,あのメルケル首相の声明があるからこそ,ドイツ人はみんな協力するんじゃないかな,希望的観測を込めて言う.

勿論場所によっては暴動が起こったり夜な夜な若者が集まったり,全ての人を統一することは不可能に近いわけなんだけれども.

”正しく怖がる”ということ

何度も言うけど,この文章は,”ドイツ人偉すぎみんな見習え”というための文章ではない.ヨーロッパの現状をみんなに伝えられるように文章を起こしている.

コロナの影響はとても大きい.これまで経験したことがないような脅威が人類を襲っていることは間違いない.

SARSや新型インフルエンザと同等,という話もちらっとあがっていたが,一つ補足すると,これらの感染病はヨーロッパを襲うに至らなかったらしい.欧州の人々にとって初めての出来事であり,だからこそ過敏に反応している部分もあるのかもしれない.

だから何度も(保険をかけるように)いうけど,この対応が適切かどうかなんて僕にはわからないし,多分誰にも分からない.だけど日本と大きく様子が異なることは分かる.

ここまで怖がる必要があるかな,とも思えるけど,やはりみんな拡大の予防に努めているな,というのは手に取るようにわかる.みんな真剣なんだ.

情報を集めて正しいと思える行動をとる

何が適切かどうかなんて誰にも分らないけど,でも誰しもにとって利益となる行動は,”感染の拡大を防ぐ”ことである.これだけは揺るがないはずである.

だからどの国にいてもこの目的のために適切だと思われる行動はとられてしかるべきだし,それは国民一人一人のレベルで考えなくてはいけないことだと思う.

だからこの投稿が少しでも多くの人に注意喚起を呼びかけることができたらいいな,なんて夢のようなことを思いながら書いている.

果たして,その行動は適切なのか.

考えたことのない人は是非考えてくれると嬉しいな,と思う.

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