映画「キャラクター」
お化けよりや怪物よりも人間そのものが恐怖
※ネタバレ含みますので、苦手な方はおやめください。
今回、永井聡監督の映画「キャラクター」を公開初日に視聴させて頂きました。
今作を視聴し終わった後にまず初めに感じたことは、映画「羊たちの沈黙」に類似している点があると感じます。
作品自体のメッセージ性もそうですが、監督の永井さん初め、脚本・原案担当の長崎尚志さんたちの伝えたいことが理解できました。
①【内容】
売れない漫画家(山城)
ある日の夜。
アシスタントをしている先生から「家のスケッチをしてきてくれ」と頼まれ、街へ家のスケッチに出かける。
大音量でクラシックが鳴り続けている裕福そうな家を見つけて、スケッチを始めた。
帰ろうとすると、隣人から「その家の音楽がうるさいから止めるよう言ってくれ」と言われる。
仕方なく家に音楽を止めてもらうよう説得をしに行く。
家に入った途端”なにかがおかしい”と感じ、リビング行くとその家の家族とおもしき人間が首を切られ死んでいる。
驚きで困惑している山城の前を殺人鬼が通り、物語が始まる。
(ネタバレしすぎないよう、この辺にしときます!)
②【メッセージ性】
先程も申し上げましたが、今作は”殺人鬼”をテーマにして作り上げられております。
ここで意識して欲しいのが、殺人鬼だけに囚われていけないと言うことです。
近年、日本の殺害事件は減っているとは言えない状態です。
そんな日本の現状に焦点を当て、物語を作る。
“1番怖いのはお化けや怪物などではない。
身近にいる人間が急に刃物を持ち襲ってくること自体が本当の恐怖”
と言うメッセージ性が「羊たちの沈黙」に類似している。
漫画その恐怖をより伝えるためのツールだったのかもしれない。
③【キャスティング】
今作が俳優デビューとなるSEKAI NO OWARIの深瀬さん。自分今回の殺人鬼役を成田さんに演じて欲しいと思っていましたが、深瀬さんで大正解と思いました。
俳優慣れしていないところがうぶな殺人鬼により一層の深み出している。
特に終盤の裁判所での深瀬さんの演技を見てほしい。あの間と揚々は深瀬さんだからできるものなのだと感じる。
④【影と光】
今作の映像美は素晴らしい。
特に影と光の使い方だ。黒澤明さんを彷彿した。漫画化題材にしているからこそ、光と影には注視したのだろう。
光の当たり方。顔にかかる影によって表情が伝わりやすくなるなど。
漫画も影がなければ味が出ないのは当たり前だ。だからこそ今作の影と光の描写には注目して頂きたい。
④【まとめ】
少しネタバレが含みましたが、是非映画館で見て頂きたい一作です。
映画館のスクリーンだからこそ感じ取れる部分が大いにあると思うので、是非見ていただきたい。
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