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口腔ケアって大切だよねって話

今日は誤嚥性肺炎を起こしてしまった78歳の高齢者の話。

股関節手術目的の3週間の予定の入院が、手術後の10日目誤嚥性肺炎を起こして治療の段階で一時絶食となった。

整形での入院であり、退院後はまたゲートボールにいくと明るく話していた方が、絶食後治療を終え、食事が開始されてもなかなか元気を取り戻せない状況が続いていた。

誤嚥性肺炎が起きてしまったことによってこの方の人生が思いもよらない方向へいってしまったことは、家族の心配も増長した。

ケースカンファレンスにて、この方の回復リハビリ計画を担当者が集まって行った。

股関節手術後の回復にも栄養状況は大きく関与する。

食欲増進を短期目標とし、口腔内の清潔と湿潤を保持することから始め、体力回復をゴールとし、理学療法士・管理栄養士とともに口腔ケアの徹底に取り組んだ。

少しずつ一旦落ち込んでしまった食欲が戻り始め、元に戻ることへの期待がみえはじめると、その方は毎日の生活に希望を見出し、身体的なリハビリにも力が入り、本来の積極的な性格によって離床時間が増え、それに伴い食欲も増し、完全に入院前とは一緒とはいかないものの、食事の時間を楽しむことができるようになった。

食事形態を見直し退院後の口腔ケアも引き続き行ってもらう必要があるが、1ヶ月延長になってしまった入院期間を終えることになった。

今後、いつまでもとは言えなくても1日でも長く、この方の人生がこの人らしく過ごせるようにと祈りながら退院を見送った。

誤嚥性肺炎の死亡率が増加しているとよく耳にするが、食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こるのが誤嚥性肺炎、なぜ通り道を誤ってしまうかというと、加齢による飲み込みの機能が低下してしまうから。

もちろんそれに疾患が関わっていることも多い。特に脳梗塞の後とあとやパーキンソン病など、飲み込みの筋肉の働きに影響を与える疾患が原因になることあると学んだ。

口腔ケアは、口の中の健康だけでなく、他の体の健康にも影響を与えるだけではなく、生活の中の食事という楽しみ、会話をする楽しみにもつながり、高齢者のQOLの向上に密接に関わる大切なケアの1つであることを改めて感じた。

介護職が知っておくべき口腔ケア


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