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はじめまして!私は57歳。娘2人と夫がいます。この春、近所に住む実母の介護度が上がり、…

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はじめまして!私は57歳。娘2人と夫がいます。この春、近所に住む実母の介護度が上がり、家族とは離れ、母が住むアパートで介護生活が始まりました。その様子を綴ります。

最近の記事

親が子を思うより、子が親を思うほうが上

独身時代、母親になったらわが子にどんな感情を抱くのだろうと、私はワクワクしていた。「今まで感じたことがないような愛しい気持ち」だの、「これが愛というものなのか!」だの、世の中の人達が愛を実感できる素晴らしい感情が芽生えたと、熱く語っていたからだ。 娘達が産まれて、最初に感じたのは、「あ、かわいい」であった。それは、小さな動物を見るのと、ほぼ同じ感情。一瞬で別世界に誘われるのかと思いきや、割と普通の世界のままだったので、がっかりした。それからは、「怪我させないように」とか、「

    • 小さくて愛しい母

      不仲だった父にいつも冷たく当たって、 四角四面で融通が効かなくて、 いつも自己主張ばかりしていて、 気が強くて他人に勝つことばかり考えていた母。そんな姿に反抗ばかりしていた私には、あんまり優しくなかったよね。 でも、よくよく思い出してみれば、 子供の頃は洋服を作ってくれたり、 大学合格祈願に神社に連れて行ってくれたり、 1人暮らしを始めたら「あなたがいなくなってさびしい」なんて手紙をくれたり、 行き遅れていた私に「別に結婚なんかしなくても気にしない」なんて言ってくれたり、

      • インプラントの功罪

        先週の土曜日の夕方に、ホスピスから「お母様の元気がありません」と連絡が入った。酸素量をあげても酸素飽和度が上がらないそう。 経管栄養を行っても回復せず、むしろ状態は悪化するばかり。発熱が増えて、気力もなくなっていったように見える。食べられないけれど、誤嚥性肺炎を起こしているのだろう。 母は前歯の上下を連結インプラントにしており、その周りが酷く膿んでいる。以前は、治療した歯をとても大切にして、食後はきちんと歯磨きしていたけれど、徐々に口腔内の管理が出来なくなっていたのではな

        • 拘縮&自己抜去防止ミトン

          経鼻経管中にカテーテルを自己抜去してしまうと、とても危ない。栄養剤が誤って肺に入り誤嚥性肺炎になるからだ。 その防止策として、市販の介護用ミトンをつけさせていたが、パーキンソン病が進行し指が中で拘縮するので、生地で擦れたところが傷になってしまった。高齢者は皮が薄いのだ。 何かいい方法はないかとネットを検索していたところ、錦海リハビリテーション病院のサイトに刺繍糸で編んだカバーでホットカーラーをくるんだ手指訓練具が載っていて、これを参考にしたらいいかも!とひらめいた。 ダ

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          高齢者の「死にたい」はあてにならない

          入院中、母はずっと「もう死にたい」と言っていたそう。それもあって、ドクターは私に看取りを提案したのだろう。パーキンソン病が進んでいるし、このままいけば寝たきりは必至。子どもはコロナで会えないし、確かにもう希望を持てないよな、と共感できるところがあった。 しかし、それは間違っていた。家では、私が何かするたびに「早く〜」と言うので、せっかちな母がマイペースな私の行動にイラついているのかと思っていた。でも、ある日「早く〜早く!死んじゃう」と叫んだ。あれま、そう言うことだったのか。

          高齢者の「死にたい」はあてにならない

          嚥下障害を治療する歯科医

          婦人公論の11月号に、嚥下障害の治療をする訪問歯科医の記事が掲載されていた。母の治療でお願いしている歯科医とほぼ同じスタンスのようだ。この先生は入れ歯の調整やむし歯の治療がメインだというが、電気治療器のバイタルスティムやジェントルスティムを使って、筋肉に刺激を与えることもしていそう。あれ、そういう歯科医って、たくさんいるの?ググり直してみると、出てくる出てくる。うちのすぐ近くにもいた。知らなかった。 東大病院や昭和大学病院でもやっているが、一度診察しに行かねばならない。しか

          嚥下障害を治療する歯科医

          コミュニケーションが取れない!

          相変わらず具合は悪いようだが、今日の母は昨日より少し良い。唸り声を上げていない(午前中にお風呂に入って疲れているらしい)、手の指がむくんでいない、発語がちょっとだけわかりやすい。そして、下痢が治まり今度は便秘に。本人は大変だろうが、栄養は下痢よりは吸収されているわけで。 でも、「ちょっと起きてみようよ」と声をかけても、首をかすかに横に振る。なんとか車椅子に腰掛けられるぐらいまで回復できないものか。 発語がはっきりしないので、ひらがな表を持っていったが、「あいうえお!」と元

          コミュニケーションが取れない!

          娘のニセモノ

          今朝、母の血液検査の結果が出た。急性期病院にいたときより、アルブミン値が少し上がっているそうだ。栄養を投与して10日ばかりだから、まあまあ良いニュースである。同時にパーキンソン病の投薬も再開することになった。というのも、有料のときに、貼り薬以外を母が拒否していて、そのまま現在に至っていたからだ。栄養だけでなく、パーキンソン病の方からもアプローチしようというのが主治医の考え方だ。 これで効果が出るか、さもなくば体の衰えが勝るのかは未知数。母の手の指はむくみ始めている。それから

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          経鼻経管栄養に再挑戦

          あまりに食事をねだるので、ある日母に尋ねた。「嫌だって言っていたけれど、延命治療をやってみる?」と。 すると、「それも手だわね。気持ちが変わってきたわ」と。何と!死の間際で考え方が変わったという。体のしんどさを取り去ってくれるのなら、何でもするということか。毎日調子を尋ねるのだが、返ってくる答えはいつも「苦しい」だった。 そこで、経鼻経管、中心静脈栄養、胃ろうがあると説明すると、胃ろうはまだ早いと拒否。中心静脈栄養は 「わからない、あなたが決めて」 「いやこれはお母さんの

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          餓死は穏やかな老衰にあたるのか?

          急性期病院を退院するに当たり、担当のドクターから言われたことは、かなりハッキリとしていた。 「点滴は最低限かなしにするのが良いと思います。外した場合、1〜2週間程度で亡くなります。最後は枯れるように亡くなりますが、本人は苦しません。いわゆる老衰です」 本当に苦しまないのだろうか?と半信半疑であった。というのも、入院中に嚥下が出来なくなり、病院では点滴だけだったから、ずっとひもじい思いをしていて、面会では「ごはんごはん」と訴えていたからだ。 「食べ物を与えれば、誤嚥性肺炎

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          コロナにやられました

          あー疲れたなあ。 有料にいた母がコロナと誤嚥性肺炎を併発し、急性期病院に入院したのが8月23日。何とか回復し、コロナ後のリハビリもやってくれる療養型病院に申し込みをしたのが、9月9日。 転院を待っていたけれど、その間にドクターから今後のことで連絡をもらった。ご本人が死にたいと言っている。治療を拒否しているので、ご自宅で緩和ケアに移られてはどうか?と。 そして、10月6日に母は我が家に戻ってきた。 その日は何と娘の誕生日!反抗期が長かった私への復讐(笑)なのか? それか

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          高額介護サービス費支給って?

           早いもので、母が有料に入って1ケ月が経った。すぐに「出たい」というかと心配していたが、意外に馴染んでいるようだ。良かった良かった。 その他にも、想定外の出来事がいくつか起こった。あれほど嫌がっていたポータブルトイレを再開したこと。リハビリ病院では使っていたものの、一緒に住んでいた時には「絶対にトイレで!」と言っていたのに。夜中の介護者は1人しかいないから、間に合わないことが多々。背に腹は変えられず、自分から「PT持って来て」と電話をしてきた。施設では定期的にPTの掃除をし

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          新たなステージへ

          「今日もダメかあ〜」 あの日に見学した施設も、予想を下回る残念な感じで、私は落胆していた。グループホーム、住宅型、介護付き、サ高住とさまざまな施設を見学するも、なかなかこれ!という施設に巡り会えなかった。 そんな時、スマホの着信に見覚えのある名前が。以前、見学していたものの、満室で断られた施設だった。(秦野の施設とは別の所)「まさかね?空きが出ても、ファクスを流すとすぐ埋まるって言ってたし」。でも、折り返してみると、そのまさかが的中。審査に進みませんか?とのこと。やった!ト

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          入居カンファレンス

           申し込みをしていた施設に断られた。最近、夜中のおむつ交換の人が同じフロアで13人に増えて、ひんぱんにトイレ介助が必要な人にまで手が回らないということだった。パーキンソン病は尿漏れになる人が多く、母は漏らすのが怖くてしょっちゅうトイレに行くのだ。申し込みをすれば入居できると思っていただけに、ショックで。それに、遠方というのもネックだったみたいだ。施設は近所でというのが常識なのか。電車で1時間、ドアツードアで1時間半。やはり、遠いかな。 ただ、もしかしたらこちらの状況を素直に

          入居カンファレンス

          見学、そして申し込み

           神奈川県秦野市にある介護付き有料老人ホームプライムガーデン秦野を見学した。エントランスに一歩足を踏み入れると、今まで見学したところとは大きく違う点を発見した。段ボールに入れっぱなしの備品、壁に貼られた色紙の作品、そんなものが一切ない。あるのは下駄箱のみ。建物は新しくはないが、物が少なくとても清潔感がある施設であった。 食堂はテーブルや椅子がきちんと並べられ、廊下の掃除も行き届いてとてもきれい。ちらっと見えたトイレも、明るくて好感を持てた。相談員の方のお話も無駄がなく、わか

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          母、車椅子の操作方法を覚える

           退院直後は、いくら教えても車椅子の操作方法が覚えられなかったのだが、何度も教えるうちに、ブレーキをかけたり解除したりすることができるようになった。3か月ぐらいかかっただろうか。 と同時に、車輪を手で動かし自走することも可能に。夜中は私を起こさないでも、頑張って一人でトイレに行けるようになった。狭い部屋の中を自由自在に動くのは難しいのだが「これぐらいは、何とか自分でできるようにならなきゃ〜ね」と言って、日々練習している。凄いぞ!母。まるで、自転車に乗れるようになったわが子を

          母、車椅子の操作方法を覚える