新たなステージへ

「今日もダメかあ〜」
あの日に見学した施設も、予想を下回る残念な感じで、私は落胆していた。グループホーム、住宅型、介護付き、サ高住とさまざまな施設を見学するも、なかなかこれ!という施設に巡り会えなかった。

そんな時、スマホの着信に見覚えのある名前が。以前、見学していたものの、満室で断られた施設だった。(秦野の施設とは別の所)「まさかね?空きが出ても、ファクスを流すとすぐ埋まるって言ってたし」。でも、折り返してみると、そのまさかが的中。審査に進みませんか?とのこと。やった!トントン拍子に話は進み、母の入居が決まった。数ヶ月のうちに状況は変わるのだなあ。

本人は気乗りしているわけではないが、仕方がないといった感じ。私もそろそろ二重生活が限界に達している。ほっとした気持ちがある一方で、もう好物を作ってあげられないのだなあとか、昔話も出来ないのだなあとか思うと、さびしくもある。相反する気持ちの間を行ったり来たりして、今でも心は揺れている。

「よくがんばりましたね!お疲れ様でした」と、ケアマネさんは労ってくれた。その気持ちは嬉しいが、居宅介護が終わっても、これは第二ステージの始まりに過ぎない。弱って小さくなってしまった母の希望を叶えられずに、結局施設に行ってもらうのだ。これからは、面会で母の寂しさを埋めていくしかない。

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