外国人介護人材の受け入れ準備②
こんにちは。
介護福祉士の資格を持っている日本語教師です。
前回、外国人介護人材の受け入れ準備について書きましたが、引き続き日本語教師の視点から、外国人介護人材の受け入れ準備について書こうと思います。
https://note.com/kaigo_japan/n/n5b3b03f88325
外国人介護人材の受け入れ準備として、結論から言うと日本語教育が必要なのですが、
教育の中身が重要ですので書こうと思います。
外国人介護人材の学習状況を想像してください。
授業を受けるのは仕事が終わってからか、休日です。
私も介護現場で働いていましたが、仕事終わりや休日に研修を受けるのはどうですか。
特に休日に研修は絶対に受けたくないですよね。
疲れすぎているので休みたいです!!!
外国人介護人材の方々は仕事で疲れているにもかかわらず、
毎週授業に参加しています。
もし、その授業がミスマッチな教育だったらどうですか。
気の毒で仕方がありません。
週末、看護と介護の日本語教育研究会の交流会に参加してきました。
交流会の参加者の中で、施設からN1を取得する教育をしてほしいと依頼があったそうです。
(N1というのは外国人の方が受ける日本語能力試験(JLPT)で一番難しいレベルのことです。)
最近、そのような話を聞かなかったので、まだそのような施設があるのかとショックでした。
外国人介護人材にN1は必要なのでしょうか。
どのような理由で施設の方がN1を取らせる教育を頼んだのか理由が知りたいところですが、おそらく
・N1を取れば日本人と同じように話ができるようになる
・日本語の教育として、一番レベルの高いものを取らせればいいだろう
・N5、N4、N3、N2、N1と順番に取らせるものだ
このような理由でN1を取らせようとしているのだと推察しますが、日本語教師から言わせてもらうと見当違いです。
N1を取っても話せるようになりませんし、介護現場ですぐに役立つ日本語力は身に付きません。
外国人はとりあえずN1を目指すものなんて決まりもありません。
N1を取ったからといって介護福祉士国家試験に合格できるとも限りません。
むしろN1の勉強をしている分、介護福祉士合格までの道のりが遠のいているまであるような気さえします。
施設の方としては日本語教育の知見がない方の方が多いので、どのような教育をしたらいいかわらないのが本音だと思いますので仕方のないことです。
このようなミスマッチな学習依頼が来た際に、適切なアドバイスができる日本語教師が必要なのですが、しっかり外国人介護人材のキャリア形成を考えてアドバイスができる日本語教師かどうか見極める必要があります。
以前、よくあった話なのですが、日本語教育はよくわからないので、とりあえず近くの日本語学校に教育を丸投げすることがありました。
しかし、日本語学校で行われていた教育が留学生と同じコースだったり、日本語能力試験(JLPT)コースだったので介護の知識が全く身につかないということがありました。
施設の方としては最終的に介福を取ってもらいたいと思って教育を任せることが多いと思いますが、このような日本語学校に任せてはいつまでたっても介福は取れません。
日本語教育の中には介護の日本語という分野があります。
施設ではたらく外国人介護人材に対して、介護で働くうえで必要になる日本語や介護福祉士国家試験対策まで幅広く扱っている分野です。
施設の方が日本語学校や日本語教師を選ぶ際、介護の日本語の指導ができ、外国人介護人材のキャリア形成に向き合える日本語教育ができるか、しっかりと確認してから依頼をしてほしいと思います。
今回、交流会に参加して、まだまだ日本語教育が認知されてないと感じました。
施設の方には日本語教育の中に介護の日本語という分野があることを知ってほしいと思います。
我々日本語教師としても、しっかりとした教育を行い
介護の日本語の輪を広げていかなければなりませんね。
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