外国人介護人材の受け入れ準備①
こんにちは。
介護福祉士の資格を持っている日本語教師です。
今回は日本語教師の視点から、外国人介護人材の受け入れ準備について書こうと思います。
はじめて外国人介護人材を受け入れることになったものの、どんな準備をしたらいいかわからないという声をよく耳にします。
どの施設もOJTや新人研修があり、日本人の新人スタッフが来た場合は問題なく新人教育ができるはずです。
では、新人外国人介護スタッフが来た場合は・・・
準備することの一つして、今回紹介するのは「介護用具の名前」です。
日本人スタッフだったら、一部特殊な物の名前を除いて知っていると思いますが、外国人スタッフとなると意外に名前を知らないものです。
私はいままで、EPA、技能実習生、特定技能実習生に日本語を教えてきましたが、すでに現場で働いているにも関わらずこの道具の名前が言えない人が結構います。
普段、使っているはずですが、名前は?と聞くと意外や意外に言えないもので、体感的に正答率60%といったところでしょうか。
これには私も授業をしていて驚かされました。
「先生そんなの知ってるから馬鹿にしないでよ」とか言われると思っていたのですが、答えられない人が思いのほか多くて衝撃でした。
続いて正答率20%のものがこちらです。
ナースコールの名前が答えられないなんて考えられないと思いませんか。
でも、これが現実です。
この話には少し補足が必要なのですが、施設に配属されて、2,3ヶ月経っている方は80%くらい答えることができます。
ですが、施設に配属されたばかりだったり、技能実習の研修センターで勉強中の方など、まだ施設で勤務していない方はほとんど答えることができません。
ここからは正答率0%です。
施設ですでに働いている人も名前を答えられた人に会ったことがありません。
普段どうやってコミュニケーションをしているのか謎なのですが・・・
パルスオキシメーターは私も「SPO2のやつ」とか呼んでいて、現場で正式名称を言ったことがないかもしれませんが、その他の物はなんと表現しているのでしょうか。
誰かに「吸い飲み持ってきて」とか言われた場合、困らないか心配です。
今回、紹介した介護用具の名前は一部ですが、ほかにも名前が言えない物がたくさんあります。
日本人スタッフだったら、このような名前を教えなくても知っているので、あえて教える時間を作る必要はないと思いますが、外国人スタッフとなると誰かがしっかり教える時間を設けた方がいいのではないでしょうか。
そうした場合、誰が資料をつくるのか問題になってきます。
介護現場はただでさえ忙しいのに余計な仕事を増やして!!!と、現場の怒りの声が聞こえてくるような気がします。
実際、私は介護用具の名前の資料を作りましたが、作るのは思いのほか大変です。
直接写真を撮るのはめんどくさいですし、かといってインターネットで画像を集めようものなら著作権に引っかかってなかなか集められません。
一番手っ取り早いのは、こうした事情を把握している日本語学校と連携することです。
場合によっては施設に配属される前から教育することもできますので、安心して働き始める下地を作ることができます。
言葉に関する教育は言葉のプロである日本語教師に任せた方がスムーズにいきます。
現場スタッフの負担になるようなことはありませんし、継続的に外国人スタッフのサポートができるのがいいですね。
今回は外国人介護人材を受け入れるにあたっての準備として、介護用具の名前について書きましたが、次回は、その他にも受け入れ準備で必要となることについて書こうと思います。
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