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介護の特定技能実習生のキャリア形成

こんにちは。
介護福祉士の資格を持っている日本語教師です。

介護の特定技能実習生のキャリア形成について、どのように考えているでしょうか。
 
特定技能はまだ始まったばかりの制度ですので、試行錯誤されている施設が多いのではないかと思いますが、キャリアのゴールとして、特定技能制度のうちに介護福祉士の資格を取って、長く施設で働いてほしいというのが理想の形ではないかと思います。
 
今回は日本語教育の視点から特定技能のキャリア形成について書きたいと思います。
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介護現場で働く際、一般的にキャリア形成といえば、
 
初任者研修→実務者研修→介護福祉士国家試験
 
この順番で資格を取得していく事になると思います。
おそらく、特定技能実習生もこの順番で資格を取得させようと考えている施設が多いのではないかと思います。
 
では、いつ資格を取得させるのでしょうか。
また、その資格を取得するまでにどのような教育が必要になるのでしょうか。
 
初任者研修を例に見ていきます。
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初任者研修
 
日本人が初任者研修を受けるタイミングは施設に配属される前か、
施設に配属されてから比較的早い時期に受講されることが多いです。

特定技能実習生も日本人と同じように考えて、施設に配属されてからすぐに初任者研修を受けるとなると、失敗するはずです。
 
なぜ失敗するのかというと日本語力が足りないため、
研修内容が全くわからないからです。(日本語能力は個人差があります)

特定技能実習生になるための条件として日本語能力試験(JLPT)N4以上取得があります。

N4の会話力は、ゆっくり話してもらえれば日常会話が理解できるようなレベルです。
まだ日常会話も不自由するところがあるレベルですから、初任者研修の講師の話が全く理解できません。
 
N4の漢字力というと、勉強する漢字は約250個です。
小学校で考えると小学3年生くらいの漢字力でしょうか。
これではテキストを読むこともできません。
 
さらに、医療介護現場で使われる漢字や言葉は特殊なものが多く、
これらは一般の日本語教育では扱っていません。
N4の日本語力の方が医療介護現場の特殊な言葉を独学で勉強するのはまず無理です。
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私が心配しているのは、施設に配属されてからすぐに初任者研修を受講させられて、講師の話がさっぱりわからず、テキストも難しすぎて全然読めないと苦痛を感じてしまうことです。

これが原因で、介護現場で働き始めた初期のころに、介護に対して苦手意識を持ってしまったり、早期に介護福祉士を目指すことを諦めてしまう人が出てしまうのではないかと心配しています。
 
このようなミスマッチが起こらないようにするために、
初任者研修→実務者研修→介護福祉士国家試験とキャリア形成していくうえで、資格を取得するための日本語力を身につけるサポートが必要です。

例えば、

初任者研修準備→初任者研修→実務者研修準備→実務者研修→
介福試験対策→介護福祉士国家試験

このように資格を取得のための準備の日本語教育が必要になります。

日本語能力は個人差がありますが、特定技能の方が初任者研修を受けられるようになるには、施設に配属されて1年以上かかるかもしれません。
 
施設としては、特定技能実習生と日本人を同じ感覚でキャリア形成するのではなく、特定技能実習生に合わせたスパンでキャリア形成していくように、マインドを切り替えて考えた方がいいと思います。

特定技能実習生のキャリア形成をサポートするうえで、
実習生が目指すキャリアのための準備ができる日本語学校や日本語教師と連携することも大事です。

エルロンでは、介護の特定技能実習生向けの教育が充実していますので、
よろしければご覧ください。

次回も介護の特定技能に関することを書こうと思います。
 
 

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