MEADOWLARKと休む
本作、MEADOWLARKは、未邦訳の英語の作品となる。本作品は、かのハリウッドスターのETHAN HAWKEが原作を執筆し、GREG RUTHが作画を担当している。ETHAN HAWKEについては、説明不要だろう。あえて付言するのであれば、(ネットの情報によれば)ETHAN HAWKEは俳優活動以外にも小説の執筆などわりとマルチの活躍しているらしい。GREG RUTHについてはどうだろう。あまり日本での知名度は高くないのではないか。こちらのGREG RUTHについて、彼のHPを見てみると、どうやら、海外漫画の作画をする人にありがちな、漫画だけではなく絵本やポスターなどの幅広いグラフィック創作活動をやっている方らしい。特筆すべき事前情報としては、ETHAN HAWKEとのタッグは本作品だけでなく、2015年に発売されたINDEHというアパッチの物語を描いた漫画でも実現しているらしい。このINDEH(本記事執筆時点では未読)についてもいずれ購入をして紹介をしてみたいと思う。
ストーリーはこんな感じだ。元ボクサーの父と息子。息子の部屋には父のボクサー時代のポスターが貼ってある。父は刑務所で働いている。父に連れていってもらった職場の刑務所で突如暴動が発生する。家に帰らせようとすると父と、父に同行しようとする息子の最悪の1日。さまざまな出来事を通して父と息子の対話、そして息子の成長と旅立ちが描かれる。
作画については、一言で表現すれば映画っぽいと感じた。
例えば上記のコマをみてほしい。バックショット自体は普通にあると思うが、奥の父親が少し焦点がずれているように感じる。色がモノトーンということもあって、こういうレンズ効果みたいなものが随所に感じられる。
また、上記の2つのコマをみてほしい。父親側からの視点のコマに続いて、運転手側からの視点のコマに続く。こういうの映画とかではよく見る切り返しのショットかなと思うが、案外漫画では使われてなかったようにも思える。その際、しっかり奥側の人物の焦点がずれているのも映画っぽさを感じる要因だろう。
こんなアクションシーンもある。大きいコマでダイナミックな動きが表現されているのだが、その次に手元のアップのコマになるのもなんだか映画っぽく感じる。
また、動物が出てくるコマがあり、比喩というか緩めのモンタージュが効いているのも映画っぽさを感じた。
全体的に、男っぽい雰囲気を漂わせて進むストーリーも見ていて小気味いい。本作品は、普段映画を楽しんでいるような方たちにも読んで楽しめる作品ではないだろうかと感じた。
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