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【まんが少年日々記】 29話 えーぐゎーくわーしはサバ缶の汁ってよ~【コラム】

エーグヮー(大和名 アイゴ)の稚魚をスクと呼ぶ。

スクは塩辛にし、小瓶に詰めて“スクガラス”の商標でマーケットなどで販売している。
ちなみに、沖縄では、塩辛をカラス・ガラスという。
食べると病みつき間違いないので、試してみてはいかがですか。
たぶん、沖縄居酒屋へ行かれた方は、酒の肴でスクを見かけたことがあるとおもいます。ほら、豆腐の上にのった塩辛の小さい魚ですよ。
 
スクは、6月にはいると群れて浅瀬へと寄ってくる習性があり、このスクを目当てに、おじーやおばーたちも腰をかがめスク奪取に血眼だ。
毎年、とうちゃんが私たちを連れて名蔵湾へ行った。
二人一組でタオルを手に、波打ち際ですくい取る興奮は堪らない。
で、スクガラスにして、来年の楽しみに浸け置くのです。
去年浸けたスクガラスは、今年のご飯の供で夏バテ防止食だった。 
さて、成魚になって食卓へのぼるエーグヮーは、マース煮(塩ゆで)や味噌煮にして食べると、とってもマーサン(おいしい)魚に変身だ。

8月夏本番、新川漁港の防波堤は、エーグヮー釣りでにぎわう。
子どもは、竹や細い角材にテグスを巻いて釣り竿がわりにしていた。
大人は、バヨレットやハイトーンのくわえ煙草でリール付きの竿だった。
辺り一面に釣り熱気ムンムンで、陽射しも跳ね返す欲望にどっぷりのやからばかりなので、陽射し極強だが、こうもり傘や日よけなぞ皆無。

なに「まただ、いつもながら大げさだな〜」ってか。
誇大妄想的表現が、ドンピシャなのよ。わからないなんて、イヤ〜ン。

しかーし、釣れないやからに容赦ない陽射しは堪え難き酷暑。
たまりかねた子どもたちは、服をきたままで海へ、どぶ〜ん。
が、ヒンヤリ気分を打ちのめす大人たちの罵声とののしり声。
スイスイと遠ざかり、釣りなぞ忘却の彼方の海水浴状態。
今、この時が幸いで夢心地の子どもらの心情がここに極む。
かくして釣りは、まったくのぼうずだが、勢いと体験が大漁状態。
 
行動っていいな〜。
時を忘れて思い出にしたる私であった。
 
おしまい。




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次の更新は 30話の標準語版 です。

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