ホールの空から

山とお酒が大好物のフリーランスです。 コロナ前は海外を拠点に自由気ままに飛び回っており…

ホールの空から

山とお酒が大好物のフリーランスです。 コロナ前は海外を拠点に自由気ままに飛び回っておりました。 気がつけば還暦が目の前に迫り、人生の最終コーナーが見えてくる。 気ままにポツポツと書きます。 あと、勝手に読んで、感動して、スキして、フォローしますので悪しからず。

マガジン

  • 海外旅行のお話

    海外で仕事をしていたから出張はすべて海外になるのは当たり前なのですけど。 バンコクを中心にアジアを飛び回っていた頃のお話です。 いまもたま〜にこっそり海外へ出かけています。

  • 尊厳死についてのお話

    嫁がスイスのDignitasで尊厳死することを手伝った経験があり、死ぬ権利について深く考えさせられました。生きる事が死より厳しい事だってあります。 彼女は死に場所を見つけるとこで自分を取り戻しました。 死に方は生き方の一部であるのではないでしょうか。 考え方は人ぞれぞれでも、尊重されるべきは本人の意思であるべきです。 尊厳死については肯定派ですが第三者に勧めたりはしません。

最近の記事

  • 固定された記事

彼女がスイスで尊厳死するまで(前書き)

前書き「もう私は覚悟できているの。だから、あなたも早く覚悟して。あなたにしか頼めない最後のお願いなんだから。」 ベッドの横で寝ていた彼女がそっと呟く。 横を向くと彼女がまっすぐこちらを見ている。もう彼女の言葉に抗うことが出来ないと分かり、彼は黙ってうなづくしかなった。 エアコンの音だけが耳障りにうるさかった夜。 彼女がスイスで尊厳死をしたのはその年の暑い夏の日だった。 チューリッヒ郊外にあるDignitasの施設で彼女はひっそりと旅立ったのだ。 スイスにおける自殺

    • お家でクイッティアオ

      タイの麺料理を指すクイッティアオを知っていますか。タイでよく見かける屋台で売っているラーメンがクイッティアオです。 クイッティアオには澄んだスープのナムサイ、豚の血を加えて作るコクのあるナムトックの他、鶏肉や牛肉を煮込んだスープやご当地トムヤムなどたくさんの種類があります。 スープはそれぞれ専門店になっていて、ここは日本のラーメン店と同じです。タイでちょっと違うのは、麺の種類を選ぶ事ができるところです。 中華麺はまとめてバミーと言いますが、米麺は太さで呼び方が変わります

      • 山菜採りでクマに遭う@磐梯山

        早朝からクルマを飛ばして会津方面へ。600〜700m辺りならタラの芽からコシアブラへ最盛期が移っている頃だと思っていたのに…またもやフライング。コシアブラどころかタラの芽も数日早い。 困りましたなぁ〜とボヤきながら開けた場所を散策していると、少し離れた水路沿いをドドドド〜っと足音を響かせながら真っ黒なクマが走り去るのを発見。クマがこちらに先に気づいて逃げてくれたみたいだけど、早い早い!あんなスピードで追いかけられたら逃げられません。全速のクマを見たのは人生初です。 因みに

        • 今年も山菜採りへ

          恒例となっている山菜採りのシーズンがやってきた。東北の桜が終わる頃、奥会津のいつもの山では春の山菜が絶好期を迎える。 今年は春が早いと予想していたから、一時は4月中旬の遠征もあるのかと思っていたら、今のところ例年並みらしい。 山菜ってのは春の息吹が姿を変えて現れるものだから、その瞬間を狙って訪れないとタイミングを逸してしまう。 とは言え、最近はそこそこ真面目に仕事をしている私としては、『さぁ明日だ!』みたいな出動は出来ず、どこかの週末を絡めて予定を組むしかないのだ。 山菜

        • 固定された記事

        彼女がスイスで尊厳死するまで(前書き)

        マガジン

        • 海外旅行のお話
          4本
        • 尊厳死についてのお話
          13本

        記事

          ザッハトルテ

          ニューイヤーコンサートの余韻に浸っていた新年ウィーンの夜、寒い中で長〜い行列を作っている人たちを発見する。なんだなんだ?と近づいてみると、そこは某有名ホテルのカフェなのでありました。あっ、なるほどと気づかされた58歳のオヤジです。 ザッハトルテの名前の由来がホテルにあったなんて少しも考えたこともありません。今更ながら少し恥ずかしい気になりつつも、せっかくなので話のネタにもなるし食べてみたいと思ったのでありますが、さすがに元旦の寒空に並ぶのはつらい。数秒間だけ悩んだ僕たちは、

          ナイショの鮟肝

          学生時代から通っているから40年くらいになる寿司屋がある。 雀荘で知り合った人に連れられて行ったのだけど、その時は東京の寿司屋ってこんなに旨いのかと驚いた。 その後、社会人になって仕事柄あちこちの店に行く機会に恵まれた。バブル時代だったから経費で都内の有名店は片っ端から行った。 が、この店よりも通いたいと思う店にいまだ巡り合えない。もちろん旨い店は山ほどあった。仕入れが違うのであるから高けりゃ旨いのは当然だが、ココは違うのだ。いやもうコスパを考えたら都内随一だと思っている。

          ナイショの鮟肝

          ケジャンとマッコリ

          年明けからも引き続き被災地で仕事をさせて貰っている。昨年から同じ場所なので北陸地方ではない。災害だらけの日本では至る所で災害対策本部が稼働しているのだ。 金曜夜に自宅に帰り、日曜夜に重い足取りでホテルに舞い戻る生活だ。往復が面倒な時は週末もホテルでゴロゴロしている。 先日、本八幡駅近くの韓国料理屋さんに入ってみた。看板が面白くて以前から気になっていた店で醤油ケジャンを食べながらマッコリを飲んだ。若い頃は瓶のまま乾杯したものだ。 暖かくなったら久しぶりに韓国に行ってみよう。

          ケジャンとマッコリ

          ウィーンフィル2024への道(完)

          シェンゲンビザタイ人がウィーンに渡航するためにはシェンゲンビザを取得しなければならない事は前回の記事で説明したとおりだが、申請先のオーストリア大使館からは良い返事が来ない。 12月下旬になっても追加の資料を求められる始末であり、もはや時間切れだなと諦めムードで仕方なく最終審査に回して貰った。 そもそも、あんたの国のコンサートを見るために高いチケットを買って、旅費もすべて払い込みであるのに入国させないなんてあるのか?と怒り心頭に発するところだが、29日に届いたパスポートにはビザ

          ウィーンフィル2024への道(完)

          母を見送った令和5年

          博多での仕事を早々に切り上げ、右足首を固定していたプレートやボルトの撤去手術を終えたのは立春が過ぎて梅が咲き始めた頃だった。 術後のリハビリをひと月ほどで終え、もう新年度だし働かないとなぁ〜と思っていた矢先に母親が末期癌らしいと聞かされた。 なにも知らずに帰省したら母親が検査入院していたのだ。検査入院は予想外に長引き、院内はコロナ厳戒体制の解除前とあって面会もままならず、一時退院する5月半ばまでは実家で母親の飼い犬のお世話係を申しつかっていた。 それは、母親は物忘れが酷く

          母を見送った令和5年

          サントリー白州を訪ねる

          夜明け前の出発で初雪に遭う朝5時に前橋駅近くのホテルで待合せをして出発。さすがに晩秋の午前5時は真っ暗です。 自分はこの辺りの地理はまったく分からず、ひたすら助手席で眠気と戦っておりました。やがて東の空が白み始め、八ヶ岳が赤く染まり出した頃、ちらほらと白いモノが落ちてきた。 わずかだけど初雪。すぐに止んでしまったけど、空気がものすごく澄んで冷たい。たぶん長野県から山梨県へ抜けた辺りだったと思う。 予約制だから週末でも混雑なし僕たちが尋ねたのは土曜日の朝だった。早く行かないと

          サントリー白州を訪ねる

          ウィーンフィル2024への道(その3)

          トルコ航空でチケットを手配する年末からのウィーンへの旅は結局、チケットを分け合った友人の他にタイ人が加わることとなり、あわせて三人となった。仲間が増えて賑やかになるのは良いのだけれども面倒な問題も発生した。 日本人は殆どの国々へノービザで入国できるのだけど、タイパスポートはそこまで強くないのだ。タイパスポートでオーストリアに入国するためにはシェンゲンビザを取得せねばならず、そのための書類やら何やらをそろえる必要がある。友人に遅れること半月、10月下旬に航空券を買った。予想外の

          ウィーンフィル2024への道(その3)

          わらび干し

          連休中の山菜採りで予定外の収穫となったワラビを少し干してみた時のお話。 海外生活を始める前は毎年恒例の作業だったから、思い出してやりたくなった。無計画なので少しだけ。 棚にあったはずの重曹が見つからず、わざわざ買いに出るのが面倒だったから小麦粉と塩で適当にアク抜き。干しカゴがないからユニフレームの焚き火台に並べて窓際へ置いてみたけど、その日は強風のため何度も新聞紙ごと飛ばされてしまう。 乾燥して軽くなったワラビの頭の部分が飛び散ってしまうから掃除が大変なのだ。 飛ばされた

          CatGPT

          母親のサポートのため実家でテレワークをしていたら、猫たちに仕事場を占拠された時のお話。 ネコ連合にジャックされるネコの観察はかなり楽しい。ネコを飼ったことのない僕としては発見だらけの毎日なのだ。 つい先日までは母親が飼っていたワン公のお世話係だったのに、いまはネコ様の執事である。 検査入院から退院してきた母親のリハビリを実弟のマンションで手伝うのがいまの僕のミッションで、とりあえず弟君の指示を頂戴しながらネコ2匹と一緒に生活している。 弟君は仕事に出るので昼間は母親の話

          初のジェットスターで松山へ

          国内線でANAではない飛行機を利用したのは何年ぶりだろうか?元嫁が病気の時にお世話になっていらい、航空会社はANAと決めているのだけど、最寄駅からは成田空港が意外に便利であることが分かり、お試しのつもりで利用したら意外に快適だったってお話。 飛行機それとも新幹線?ひと月ほど前から愛媛で一人暮らしの母親が検査入院しており、お犬様の世話やら何やらで頻繁に愛媛を往来している。仕事して四国して山へ行って、また四国して仕事して…みたいな生活。だいたい1週間ごと。仕事は100%テレワー

          初のジェットスターで松山へ

          ウィーンフィル2024への道(その2)

          友人に相談して支払を決める 支払期日まで残り1日となった木曜日の夜、友人を食事に誘いだして話をした。彼も元日にかかさず生中継でコンサートを鑑賞している一人で、いつか一緒に行こうとよく話している仕事仲間である。とりあえず飯を奢ると言って誘いだした。 教えれば絶対に行くと言い張るから黙っておいたのだが、背に腹はかえられぬ。観念して釣竿を投げることにした。 予想通りすぐに掛かった。自分(彼)の分は都合つけるから必要なら言ってくれと即答される。さっそく一緒に行く気満々である。 本当は

          ウィーンフィル2024への道(その2)

          春の山は難しい

          山菜探しに会津へフライング(4/20)今年は例年になく春の訪れが早く、いつも山菜探しに行く会津の山の事が気になって仕方がなかった。 ようやく仕事の間隙を見つけ、弾丸で山へ入ってみた。会津もここ数日は特に暖かく、当日は夏日となるほどだったから、『ちょいとフライングだけどここ数日の高温で意外とドンピシャのタイミングかもな』などと都合の良い期待をパンパンに膨らませて東北道を北上したのだ。 到着した日はもう日が落ち始める時刻だったから、ざっと歩いてどんな感じなのか観察してみた。

          春の山は難しい