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アメリカの生徒の不安症問題、実は鉄のハート?

アメリカの高校には、授業中に突然泣き出したり、突然教室を飛び出してしまう様な生徒に出会いました。アメリカ人の先生によると anxiety problem だそうです。不安な気持ちをコントロールできなくなる問題のことです。私の生徒は、うまく発言できなかったたらみんなの前で突然泣き出したり、「グループ活動するよ」と声をかけると、何にも言わずに教室から突然出て行ったりするようなケースでした。

実際、アメリカでは結構何でもかんでも「不安症」でまとめているような印象でした。何か素行に問題があったり、鬱気味の生徒などは全て不安症とレッテルが貼られているような。
小学生でも多いと聞きましたが、調べてみると3歳から17歳のうち7.1パーセントが不安症と診断されています。

日本語では神経症と訳すことが多いのでしょうか。不勉強なのですが、このような生徒への対応は日本でも小学校等ではよくあるかもしれません。もちろん学校によって違うとは思いますが、私の経験からすると高校で精神疾患でサポートが必要な生徒は事前に情報共有がなされていて数はだいたい学年に2、3人と言ったところでしょうか。

アメリカで出会った不安症の生徒を見ていて、最も驚いたのは、結構些細なことで泣いたり出て言ったりするということです。日本で同じ光景を目にしないのは、高校生にもなるとある程度の集団行動に対する免疫ができていて些細なことではパニックにならないトレーニングができているのだろな、と感じました。良い悪いは別にして。

泣き出す生徒に「そんな、泣くことちゃうやん」と思いつつ、慰める私。でも生徒は次の日には結構コロッとした顔で来ていたりして拍子抜けすることもありました。教室を飛び出した生徒も、勢い良く飛び出した割に実は教室の外に座っていて、グループ活動が終わればケロっとした顔で戻って来ていたり。

それはそれでハートが強いですよね、日本的に言うと。笑

生徒の態度に対して、クラスメイトが動揺したり、いじったりすることはありませんでした。おそらく慣れているのでしょう。また、教師が「どうしたの?」とか「何があったの?」と個人的なことに介入していかなアメリカです。生徒が抱える問題についてこちらが詳しいことを把握できないことも多かったです。しかし、そういう生徒に限って、自分のことを本当は聞いて欲しいと思っていたりする姿を見ると、日本の子どもたちと変わらないなーと思うのでした。

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