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愚かな女。3のあとがき〜あのころについて思うこと〜

今日もあとがきをお読みくださりありがとうございます。↓本文はこちら。


愚かな女。3につきましては、話の中でかなりの時間が経過しました。

文章にして気が付きましたが、千夏の出産祝いをしてから私が出産祝いをしてもらうまで、10年近くたってるんですよね。
私自身、改めて驚きました。
千夏もよくお祝いしてくれたなぁと思います。
ありがたやありがたや。
(私が千夏の職場に、一方的に顔を出すことはありましたが、それにしたってねぇ。)

千夏とは、常に深い間柄の友人ではなく、いつも離れているのにお祝いごとだけはきちんとするという律儀?な関係でした。短い間、同じ高校に通っただけだというのに、縁とは不思議なものです。

さて千夏の話ですが、妊娠、出産してからの千夏は本当に悲惨でした。
それもそのはず、千夏は自ら望まぬ妊娠、出産に向かって突き進んだのです。
当然と言えば当然の結果でもあります。
ただ、千夏の幸せを願い、そして誰よりも千夏を信頼していた両親には非常に酷な話です。
千夏の幸せを願えばこそ、立派な挙式をし、新居も整えたはずなのです。
けれどその想いは、全て千夏の元夫により粉々に打ち砕かれ、台無しにされました。
挙げ句の果てに、お腹の子は自分の子ではないと言い張る始末。
本当に最低でひどい男です。

千夏の妊娠が発覚した時、男は焦ったでしょう。
他の女の子のように、遊んでは捨て遊んでは捨てをしようと思っていたのに、まるでアテが外れたのですから。
自分と同じような人間だと思っていたら、しっかり恋までされてしまったのです。
なんとか切らなきゃ、と考えていた矢先の事だったのでしょう。

何度も言いますが、千夏は男慣れした遊び人の女の子ではないです。
東京で孤軍奮闘するなかで、たまたま優しい声をかけてきたのが、めちゃくちゃ女慣れした彼だったのではないでしょうか。

知らない街で孤独な中、そういうことがあればなびくのも無理はないです。ましてやまだ千夏はハタチそこそこです。もしくは10代。
そりゃあ無理もないよね、と言うのがオバサンの正直な感想です。
またそういう男のセックスは下手ではないですからね(上手いとは言わない)そりゃ数こなしてますもん。そういう所まで千夏が見抜けていたらな、とつい感じてしまいます。


千夏自身の口からは、東京の話をただの一度も聞くことはありませんでした。
唯一話してくれたのは、高校卒業に向けて勉強していたことです。
これは私の憶測ですが、千夏は夢を追いつつも自分に1番必要なのは高校卒業の資格だと考えていたのではないでしょうか。
もしくは高校卒業を目的に、東京へ向かったか。
そうでなければ、あの短期間に全ての単位を修得する事は不可能です。
とにかく千夏は、かなり早い段階で高校卒業を目標にし頑張っていたのだと思います。

そう、今回の話の中では書きませんでしたが、千夏はこの渦中のさなか、高校卒業の資格を取得終えてから、地元に帰ってきたんですよ。
皆さんすごいと思いませんか?
妊娠あり、結婚あり、裏切りあり、をなんとか泳ぎ切った上、高校を卒業して帰ってきたのです。

正直脱帽ですよね。
千夏はよく頑張ったと思います。お腹の赤ちゃんもよく耐えた。いやよくぞ無事でいてくれた。本当にそう思います。
そりゃあ若さという力も作用したんでしょうが、それにしたってすごい。
千夏の、絶対幸せになるという根性と執念を感じました。

千夏は、地元に帰ってからはしっかりお母さんをしていだと思います(私は千夏のお母さん姿を見ていないので、こう書き記しておきます)
そして働きにも出て、イキイキとしていました。
そんな姿をみて、私もよかったなと素直に思いました。
でも、それは千夏の親が健在かつ関係が良好だからこそなし得た事で、皆出来ることではないんですね。

もし皆が皆、千夏のような環境であれば、虐待事件は激減します。
つまり、困窮した親子も、周りが手を差し伸べれば十分幸せになり前向きに生きていけることを意味します。
だから、困窮者は社会が支えることが重要なわけです。そのための税金ならば、きちんと払いますよ、私は。

あとですね、男だって親です。
望まぬ妊娠出産の代償は、2人の親が取ること。
つまり男性側にも、嬰児遺棄などの責任を問うことや、養育費の強制引き落としの制度などを強く望みます。
それから、子が望まない共同親権なんて要らないですよ。あの男に親権は必要ないでしょう?
パートナーにDVをし、養育費すら払わない人も同様です。(こちらは性別不問)
養育は義務ですが、彼らに親の権利は与えてはダメです。

子どものための養育費はいくらでも支払えるのです。親が子のためにできることは、会う以外にもたくさんあります。
本当に我が子の為を思うなら、よ〜〜く考えましょうね。よ〜〜く考えて正しい行動すれば、必ず結果はついてきます。その時まで待ちましょう。

千夏は頑張っていました。
もちろん今も頑張っていると思います。
ただ、頑張れば頑張るほどそう考えがちですが、自分ひとりでその道を歩いたと、勘違いしがちです。決してそうではないのにね。
自戒の意を込めてここに記し、あとがきを終えます。

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