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人生フラフラロンドン日記 ~Week 28~

ロンドンに来てから28週間が経過。先週は母がロンドンに遊びにきた。この時期にロンドンに来たことも含めて、やっぱりかなりアクティブな人だと思う。ロンドンに母がいることが慣れなくて見るたびに笑ってしまった。ナショナル・ギャラリーにV&Aミュージアム、バラマーケット、バッキンガム宮殿、自然史博物館、メリーポピンズのミュージカルと結構観光した。もう僕も住んで半年になるけども、始めて行く場所ばかりで、思った以上に観光していないことに気づく。ひとりでいるとライブばかり行ってしまうので…。普段あまり外食もしないから美味しいものも沢山食べられてラッキーだった。日本にいる時は毎日会っているから何とも思わなかったけど、久しぶりに会うとやっぱり嬉しい。駅で見送った後は少し寂しかった。

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いよいよ夏もおしまい。先週末はReading Festivalに行った。急遽RATMがキャンセルになってヘッドライナーがThe 1975になったからか、公式のリセールチケットが£30ぐらい安くなっていた。ありがたい。元々行く予定は全くなかったが、今年のサマソニの1975がえげつないぐらい良くて、気付いたらチケットを買っていた。自分でもびっくり。

色々観たけど、書くのはやっぱり1975のこと。正直、夢だったのかなとも思う。未だに見た実感が湧かない。地元の寂れたツタヤの洋楽コーナーに「UKシーンの新星」という文字を見つけたのは16才の時だった。時は流れて今、僕は25才で何故かロンドンにいる。あのツタヤはもう潰れた。洋楽で一番好き!と言えるようになったのはここ数年かもしれない。それでも1曲、1曲聴くたびに「あの日の帰り道で聴いていたな」とか「サークルの夏合宿で流れていたな」とかこの9年間の思い出が一気に蘇ってきて、何も言えなくなってしまった。ずっと自分のそばで鳴っていた音楽なんだろうなと思う。セットの後半で「I Always Wanna Die (Sometimes)」が始まった時、さっきまで熱気渦巻いていたフロアに涼しい風が吹き抜けた。もう秋なんだなってうっすら思って、夏の終わりを彼らで締められたことは本当に幸せだなと思った。また詳しくは夏の終わりでまとめます。紆余曲折、家に着いたのは3時。何とか帰ってこられて良かった…。

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「10代から沢山投資してもらったのに、何も返せていないことを本当に申し訳なく思っている」と母親に打ち明けられたことが母と過ごしたロンドンのハイライトだったかもしれない。ロンドンに来てからずっと劣等感を抱えていたのもある。自分の夢だったからイギリスに来たけども、足踏みばかりの日々で、周りの友人たちがちゃんと人生を歩んでいることに後ろめたさを感じていた。失恋したこともその要因の一つだと思う。「日本にいれば別れていなかったかもしれない」、もしかしたらあり得た2022年の夏のことを考えて「どっちが幸せだったんだろう」と眠れない夜がいくつもあった。自分の情けない部分を全て話したら、泣きそうになってしまって「期待に沿えない息子でごめん」という親からしたら最悪なことも言ってしまった気もする。

それでも全てを肯定してくれたことに本当に救われた。文字にすると薄っぺらくなってしまうけど心の重荷が降りたような気がする。イギリスに来てから両親のありがたみは常々感じていたけど、久しぶりに会った母に、こういう人になりたいんだなと感じた。あらためて自分のことを大切にしてくれる人たちに色々返していかなきゃな。離れていく人やものにもちゃんと意味があるんだろう。それを知るためにこんなに遠い場所まで来たのかなとも思う。選ばれないことを恨まない、今はそんなトレーニング期間。イギリス生活はまだまだ続く。

母が尋常じゃない量の日本食を持ってきてくれた。

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