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#労働なき世界
労働とはなにか?(改めて)
何度も何度も掠ってきたテーマだが、改めて1本の記事にまとめたことはなかった気がするので、まとめておこう。「労働とはなにか?」について。
山内昶『経済人類学への招待』によれば、オーストラリアのイール・イロント族は「遊び」と「労働」を、メキシコのタラフマレ族は「働く」と「踊る」を、同一の言葉で表現しているらしい。
このような社会を山内は次のように表現する。
僕たちはついつい「未開人は1日に4時間
ベーシックインカムをガチ考察(※約1.7万文字)
先日、ベーシックインカムは「アホっぽい」という理由で否定されがちであることを指摘した。
とはいえ、僕はベーシックインカム至上主義者である。BIはアホが思い描く理想ではなく現実的であり、かつ世の中の問題を解決することができるのだと、人々を納得させてみたい。
そこで、本気でベーシックインカムのメリットを力説する記事を書こうと思う。
■なんのために、ベーシックインカムを実施するのか?まず初めに語ら
ベーシック・インカムの最大の弱点は「アホっぽい」ということ
ベーシック・インカムという発想は、一見するとアホっぽい。「もうさー、お金配れば良くね?」「え、お金もらえるの?超ラッキーじゃん!みんな働かなくて済むじゃん!」と、世の中の仕組みをなにも理解していないアホが短絡的な思考の末に言いそうなことに見えるのだ。
世の中の大人の大半は、自分を賢いと周囲に見せつけなければならないという強迫観念に駆られている。
僕はベーシック・インカムが実現しない最大の理由は
栗原康『超人ナイチンゲール』を読んで
アナキストブームの立役者のうちの1人、栗原康によるナイチンゲール伝。
栗原康といえば、伊藤野枝や大杉栄といったぶっ飛んだ人物をぶっ飛んだ文体で語り尽くすスタイルで知られている。だが、個人的にナイチンゲールにそこまで「ぶっとび感」があるとは思っていなかったので、意外性を感じて読んでみた。
読後感はといえば、悪くないものの、煮え切らないものだった。
イギリス上流階級の良妻賢母の枠に押し込められる
テクノフォビアたちよ、効率化せよ
現代において、「失われた」とまでは言わないものの、ほとんど見向きもされなくなったテクノロジーは無数にある。
例えば「肥溜め」や「針仕事」といったテクノロジーである。
これらをテクノロジーと呼ぶのには違和感があるかもしれない。だが、僕はテクノロジーと呼ぶべきであると考える。それを納得していただくために、まずはテクノロジーを定義しよう。
テクノロジーとは、なんらかの目的を効率的に達成するために使
あなたが楽しいなら、それは世界の役に立っている
「役に立つ」とはなにか? 究極的には「誰かの喜びを増やすこと」であり「誰かの悲しみを減らすこと」であるはすだ。
農家とは役に立っている仕事の代表例なわけだが、美味しい食べ物を提供することで僕たちを喜ばせている(または飢えという苦しみを減らす)という理由で役に立っている。
ドライバーはそれを運ぶことで役に立っているし、スーパーの店員はそれをお店に並べることで、料理人はそれを料理することで、ウェイ
ギブ&テイクからギブ=テイクへ
ギブとテイクを分けて考えることは、もはや無理がある。子どもにお菓子を断られたらショックだし、老人に席を譲ろうとして断られたらほんのり傷つく。
僕は人の家に行って食事が提供されたときは、そんなに腹が減っていなくても、とりあえず完食する。少なくとも、ある程度は食べる。そうした方が相手が喜ぶことがわかっているからだ。
優しさを受け取ることは優しさの一種である。このとき、ギブしているのは食事を提供する
『World without Work』解説
せっかく作ったのだけれど、意外とあんまり聞かれない。1億回再生を目指してるんだけどね。
というわけで、ちょっくらこの曲を自分で解説しようと思う。
こういうものは、作り手のこだわりには誰も気づいてくれないのが普通だ。熱烈なファンがいれば気づいてくれたり、こだわったわけでもないところを深読みしてくれるわけだが、僕のような新人アーティストだとそうもいかない。
ならばセルフ解説をしなければならない。
自己決定とは幸福なのか?
アンチワーク哲学は自己決定をとことん重視するどころか、それを至上目的とする。つまり「やりたい」と思ったことをやれば全員ハッピーという主張だ。
それを前提として書いたのが以下の記事。人は「やりたいことをやる能力」つまり、自己決定能力の増大を望んでいて、増大こそが幸福であるという旨の主張だ。
この記事に対し、世界さんが相変わらず鋭いコメントをくれた。
ここではどのような議論が展開されているのかと
権力論 ー なぜ改善する人は煙たがれるのか?
職場の生産性を向上するために問題点を指摘し、なんらかの改善案を提示する。こういう人が嫌われることはよくある。
が、よくよく考えると不思議な話である。「あなたは生産性の向上を望みますか?」と質問して「望みません」と答える人はほとんどいないはずだ。誰しも口先では生産性向上を望んでいる。
問題点を指摘し改善案を提示することは、明らかに生産性向上に資する行為だ。仮にその意見が的外れだったとしても、単に
ホモ・ネーモへの独占インタビュー:哲学者でありアーティスト。2023年、世界の音楽界を揺るがせた男。
アンチワーク哲学者を名乗り精力的な執筆活動を続け、多くのフォロワーを獲得しているホモ・ネーモが、『World without Work』を引っ提げて2023年音楽界に彗星のごとく現れた。いや、それは彗星というより、音楽界という生態系を破壊し尽くす隕石のようなものだろう。しかし、破壊の後に創造がある。ホモ・ネーモが新たに思い描く音楽界、いや世界とは一体どのようなものなのだろうか? 『夜明けの歌』のリ
もっとみる仕事とはなにかを考える(『Teardown』をダシにしながら)
目下、このゲームにハマっている。
「地面以外の全てを破壊して強盗するゲーム」などというセールストークに踊らされた僕は、脳筋破壊プレイでストレス発散できるという期待に胸を膨らませながらこのゲームをダウンロードした。だが、プレイ開始後、1時間ほどで痛感させられることになる。
壊せばいいってものではない。
まず破壊に必要なリソースはそこまで豊富ではない。初期装備のハンマーでは木材やガラス、漆喰くら