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アンチワーク哲学【ホモ・ネーモ】

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「労働なき世界」を実現するため「アンチワーク哲学」を紹介するマガジン。なぜ、誰1人労働しない世界が可能なのか? を徹底的に考察しています。
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2023年1月の記事一覧

人は利己的か? 利他的か?

人は利己的か? 利他的か?

「人は利己的だ!」という主張が市民権を獲過ぎた結果、その逆張りとして、「いや、利他的だ!」という主張が現れた。雑にまとめれば前者が右翼で、後者が左翼ということになる。僕も左翼なのでどちらかと言えば後者のポジションを取ることが多かったのだが、とある男と関わる中でそうも簡単ではないと気付かされた。もうすぐ3歳になる息子だ。

彼は自分が大好きなアイスを喜んで人に分け与えたりする。それだけを見れば利他的

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世界は「名前のない仕事」でできている

世界は「名前のない仕事」でできている

ここにも書いたけれど、「AIが仕事を奪う!」という危機感ばかりが煽られているのも虚しく、実際のところテクノロジーの歩みは重要なポイントを何ひとつ飛び越えることなく、テクノロジー進化論者は未だにAIが囲碁棋士に勝ったという賞味期限切れの武勇伝を語り続けている。

2023年になってもウクライナにはターミネーターの大軍ではなく、AK-47で武装した古臭い兵士たちが進行している。そこに第二次世界大戦を戦

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第二子が産まれるので、育休おかわりしようとしたら‥

第二子が産まれるので、育休おかわりしようとしたら‥

会社にめちゃくちゃ反対された。前の職場は1年取ったのだけれど、今の職場は3ヶ月とりたいという話だけでも「非常識」と言われてしまった。

なぜ反対されるのか? 曰く、「男性の育休は社会的にまだまだ浸透していないから」とのこと。調べてみると男性の育休取得率は14%程度。恐らくポーズとしての数日育休が大半であろうことを鑑みると、実質的に意味のある育休の取得率はさらに下がる。

もちろん、このことは僕が育

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全てが賃貸マンションと駐車場になる

全てが賃貸マンションと駐車場になる

駅前の古ぼけた整骨院が取り壊されて更地にされた後、また新しい新築工事が始まるときのワクワク感は、たいてい「あ、これ大東建託の賃貸マンションだ‥」と気づく瞬間までしか持続しない。あるいは「あ、タイムズだ‥」というパターンもあり得るだろうか。少なくとも、スペインバルや雑貨店、ケーキ屋さんがオープンすることは稀なのだ。

郊外に暮らす人間は、そうやって期待を裏切られるのが常である。

親から相続した土地

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教育格差を放置してみよう

教育格差を放置してみよう

「教育格差を無くすべきである」という主張に同意していることは、常識人として理想的な態度であるように思われる。しかし僕は「教育格差を無くすべきである」という主張にこそ問題があると思っている。

「教育格差を無くすべき」と主張する人は、要するに「誰しも努力さえすれば、年収1000万円かそこらのコンサルタントやデータサイエンティスト、マーケッターになれるような教育機会を提供すべきである」ということを言っ

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アンパンマンではなく、バイキンマンが必要な社会

アンパンマンではなく、バイキンマンが必要な社会

会社や親戚の家に届いたお歳暮。サンタのブーツに詰められたお菓子。余ったおせち料理。「いらんから持って帰りや」と、周りの人たちは言う。30歳をすぎても食べ盛りの男子高校生のような扱いを受ける僕は、全てを引き受けて胃袋に詰め込む。

僕のような最終責任者が存在するコミュニティはいいもとして、存在しないコミュニティならどうなるか? 食べ物が台所やリビングを我が物顔で長期間陣取った後に、結局捨てられてしま

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