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雑記

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#ブルシット・ジョブ

資本主義の犬は労働なき世界の夢を見るか

資本主義の犬は労働なき世界の夢を見るか

インターホンの向こう側にいたのは、作業着を着た青年。チワワのように物憂げな瞳の奥からは、男の子と呼んでも差し支えないくらいの純朴さが滲み出ていた。

恐らく20歳くらい。高校を卒業してすぐ就職し、なんらかの現場仕事に就きはじめて1年か2年、といったところだろうか。

はて、そんな青年が一体何の用事だろう?

不意の来客が、インターホンの向こうで何かを話していても、だいたい聞き取れない(あるある)。

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この社会では、役に立つ事業をやっていたら経営破綻するらしい

この社会では、役に立つ事業をやっていたら経営破綻するらしい

テレビを観ていたら大阪ガスが宅食サービスを始めるというニュースがやっていた。

献立を考えるのがめんどくさい人や、そもそも料理や買い物がめんどくさい人のためにサービスを始めたらしい。そのサービスでは食べたいメニューを選ぶという手間すらも肩代わりし、いくつかのアンケートに答えるだけで自動で好みにあった料理が届くとのこと。そんなことを大阪ガスのお偉いさんと思わしき人物が会見で話していた。

サービス過

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新しい労働哲学が難解な理由

新しい労働哲学が難解な理由

※今回の記事は、初学者向けの補講授業のようなものなので、既に理解している人は居眠りしながら読んでくれて結構である。

僕は労働なき世界を目指す「新しい労働哲学」の布教者なわけだが、世間一般に流布する俗流アンチ労働主義とは、似て非なる主張をしている。

だから、「労働なき世界」といった見出しだけを見て飛びついてきた俗流アンチ労働主義者は、僕の議論を読めば読むほど「ん?なんかよくわからんな?」となる可

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『アンチワーク哲学普及協会』メンバー募集中

『アンチワーク哲学普及協会』メンバー募集中

■労働なき世界は可能である上司のわがままに振り回されたり、モンスタークライアントに頭を下げたり、単調でつまらない作業に延々と取り組んだり、自己啓発書を読んで強引にキラキラしたやりがいを見出したりせずとも、労働なるものがなくとも、誰もが豊かで幸福な人生を歩むことができる。

そんな「労働なき世界」が可能であると言ったなら、あなたは信じるだろうか?

その世界では、あなたや僕が労働しないだけではなく、

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自由をKPIにする

自由をKPIにする

ヴィーガン思想について誰かと話すと必ず返ってくる発言がある。「でも、卵とか牛乳は、鶏や牛を殺して作るわけじゃないし、食べてもいいんじゃないの?」というものだ。

彼は家畜のことを「飯食って寝て、とにかく生きていれば満足する肉の塊」とみなしている。畜産現場がどれほど過酷かを知っているか知らないかは置いておいて、ともかく「生きているのだから何はともあれOKでしょ?」と考えているのは確かだろう。

この

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「働きたくない」という気持ちは、間違っていない

「働きたくない」という気持ちは、間違っていない

「働きたくない」と思ったことのない人なんて、きっと1人もいない。それどころか、ずっとそう思っている人の方が多いのではないだろうか。

就活を控えた学生も、残業中のサラリーマンも、ニートも、きっとみんな働きたくないと思っている。

この気持ちは、社会的に「良くないこと」と考えられている。なぜならば、「働きたくない」と考えている人は、誰かの役に立つことを拒否する怠惰な人間であると想定されているからだ。

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