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いつかの遺書|詩


「いつかの遺書」

壊れそうな部屋の隅っこで
揺れる小さな灯りに見惚れていた

ふわり
薄明かりに浮かんだ水たまり
こぼれ落ちたしずくが
ありがとうの波紋をつくる

こんなはずじゃなかった、と
あすの君へ宛てた手紙
そっと破り棄てる
見あげると夜は
想いが生まれる瞬間の空だった

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