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スニーカー8000足輸入させた話【前編】

こんにちは。

海外ビジネスのサポートだの輸出入経験があるだの言っといて、自分の話をしていなかったことに気がついた。なのでたまには実体験を。

今回は印象に残っている取引について話したいと思います。


スニーカー8000足輸入させた

前職時代の話。かなりユニークな取引だったので、今でも印象に残っています。厳密にいうと僕はアメリカ側なので日本へ輸出しました。

つまりアメリカのショップから買い、日本の会社へ売りました。

繰り返しますが、80足でもなければ800足でもなく、8000足です。

スモールビジネスにしては驚愕の物量でした。


ショップオーナーとの出会い

当時、アメリカに来て5〜6年目くらいの頃でしょうか。
日本のお得意先に大口のスニーカーショップがありました。その方に提案できる商材はないかと、アメリカ側で仕入先開拓をしていました。

知り合いづてやネットでのリサーチでは飽き足らず、スニーカーを扱ってそうなお店や会社に飛び込みまくってました。

ある日、親子2代に渡りスニーカーショップを営むアメリカ人オーナーと出会いました。8店舗ほど運営していたのですが、業績不振で2店舗を閉めるとのこと。

閉めるということは大量の在庫を抱えているかと思い、倉庫を見せてもらうことに。

その数8000足!

いわゆるデッドストックってやつです。

デッドストックとは
デッドストックとは、日本語で「長期間放置されていた在庫品」や「売れ残り品」を意味する言葉である。「流通在庫品」と訳されることも多い。英語の「dead(死んでいる)」「stock(在庫)」という、2つの単語を組み合わせた言葉だ。主にアパレル業界で使われており、売れ残りの洋服や服飾小物を表している。

「デッドストック」が注目される理由とは アパレル業界の問題と取り組み


通常であれば、ここから売れる商品をセレクトして提案していくのがセオリーです。でも、この時に限っては一括ディールのチャンスだと思いました。


早速問題発生

日本側に売り先はある、アメリカ側に買い先もある。案件も面白そう。
だけど、取引の実現にだいぶ頭を悩ませました。

まず苦労したのが商品情報の共有。8000足の内訳はなんなのか?ブランドは?モデルは?それがわからないと、お客さんは検討しようもない。ところが、そんな情報一切なかった。あったのはSKUだの自社IDだの役に立たない内部情報ばっか。

次の問題が価格。当然卸価格じゃ話にならない。
8000足のデッドストックの提案なんて目ん玉飛び出るようなディスカウント価格を提示できないとお客さんからは鼻で笑われます。

ということで、ショップオーナーと交渉開始。

全部買ってやる!・・・ようにもっていけるかもしれないから、まずは全商品の内訳よこせと。ないなら今すぐ調べてよこせと。キャバクラとストリップ行く時間を削って奴隷のように働けと。
じゃないとお前の在庫ただのゴミやぞと。

結果やっていたのは交渉ではなく、ただの脅迫でした。

当たり前ですが、めちゃめちゃ嫌がられました。
「買うかどうかもわからないのにそんな膨大な作業やるわけないだろ。アホか?寝てんのか?違法ドラッグでもやってんのか?今すぐ国へ帰れ」と。

まあそりゃぁそうですよね。

  • 購入の検討は条件次第。

  • 条件(商品内訳の提示・ 値下げ)は購入の確約次第。

  • 購入の確約は条件次第。

あちらを立てればこちらが立たず。


アメリカ人オーナーとの交渉

まず、デッドストックの内訳がないと何も始まらないということがわかりました。お客さんに共有できるよう商品の内訳をリストアップしないといけない。

リストアップっていうと聞こえがいいけど・・・


8000足を1点1点・・・・。


俺がやるのか?


ひとりで?


マライアキャリーが目の前で生歌を披露してくれるか、メッシと一緒にリフティングできるくらいのご褒美がないとやりたくない。


当然ショップオーナーも応じるわけがない。そりゃそうだよね。

突然乗り込んで来た信用できるかもわからないやつに、

「前向きに検討するからさ♪ 頼むよ✌」

って言われたところで「◯ねクソガキ」って話。

なのでまずやったのが、彼らの売上に貢献してあげること。
デッドストックは一旦置いといて、卸し取引を始めました。彼らの取り扱い商品を別の日本のお客さんに提案し、自分たちがお客さんになりました。

繰り返すこと数回。運良く、オーナーが少しはこいつの言う事聞いといて損はないか、と思ってくれそうな実績ができたので、当初に比べると前向きになってくれました。

両社のアルバイトを駆り出して、ついに商品のリストアップを開始することに。


長くなってしまったので、続きは次回にしたいと思います。


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