【詩】サロメのフェミニズム理論
身に相応しからぬ幸福を得て
ちょうど三日で飽きた時
あの言葉の意味に気づいてしまいました
男性にとっては理想的な恋人すらも
力を得て欲し得るものの一つでしかない
現実の女性はどう とか
あるべき男女の姿とか
王者ばかりか賢者すらもそう
まるで己のうちに一つの帝国を持っていて
比類なき法の制定に満足している
目の前の恋人すらも片隅の住人でしかない
わたくしの恋敵はあなたの叡智です
あなたの理想に反するようなことをしては
女には得難いその整った鼻柱をへし折り
深い彫りのうちの眼をさらに奥に曇らせ
あなたの内なる宿敵を打ち負かしても
もはや寄り添えることはなく
強き男はわたくしを大いに苦しめ
賢き男はわたくしを疎外します
まことの王がどちらであれ
わたくしどもにはなんら関わりのないことです
(新聞にて入選)
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