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④平成中村座小倉城公演ナビ小笠原騒動4幕目第2場〜大詰 かぶきDOU解説 其の29アフタートーク

皆様いつもかぶきDOUをご愛顧いただき誠にありがとうございます!
タイトル画像は4年前の平成中村座小倉城公演観劇の際に撮影した小倉城です。
番組では「平成中村座小倉城公演ナビ」としてシリーズでお届けしております。夜の部で再演となる小笠原騒動のあらすじをかぶきDOU解説でお送りしてきましたがいよいよクライマックスです!


かぶきDOU解説 小笠原騒動 4幕目第2場-大詰まで

小笠原諸礼忠孝(おがさわらしょれいのおくのて)通し狂言小笠原騒動は中村勘九郎さん七之助さんの叔父、中村芝翫さんが橋之助時代1999年(平成11年)に京都南座で復活上演されたものです。
博多座でも2001年(平成13年)11月の花形歌舞伎で上演されています。

今年6月ぴあエンタメ情報で中村勘九郎さんは…
「芝翫のおじが上演した『小笠原騒動』があまりに面白くて。自分でチケットを買って何回も観たくらい、大好きな演目です。その演目をやらせていただくうえで、芝翫のおじの息子である3兄弟に思いをつなげていきたく、彼らをキャスティングしました。今回、私と七之助は、犬神兵部とお大の方と、そろって悪人を演じますので、彼らをビシバシいじめていきたいですね(笑)」と冗談交じりに語られました。


橋之助さん 福之助さん 歌之助さんがそれぞれ勤められるお役を苦しめてきた犬神兵部と、お大の方の悪事の結末はどうなるのか?!
それでは かぶきDOU解説です。

今回の主な配役

犬神兵部(いぬがみひょうぶ) 
中村勘九郎 中村屋

お大の方(おだいのかた) 
中村七之助 中村屋

岡田良助、小笠原遠江守(とおとうみのかみ)※2役
中村橋之助 成駒屋

飛脚 小平次 
中村福之助 成駒屋

奴 菊平 実は明神ヶ獄の白狐と小笠原隼人(はいと)※2役
中村歌之助 成駒屋

遠江守の身の回りの世話をする小姓 林数馬(はやし かずま) 
中村鶴松 中村屋

遠江守の小姓 中川源之助 
中村虎之介 成駒家

小笠原豊前守(ぶぜんのかみ)
片岡亀蔵 松島屋  

となっております。



4幕目第2場 柳ヶ浦街道筋の場

岡田良助は小笠原家の乗っ取りを企てる犬神兵部の悪事を暴くため兵部一味の連判状を盗み出していました。さらに、その悪事を記した直訴状を手に夜更けの柳ヶ浦街道で小笠原遠江守の一行がくるのを待っています。
そこにお早の夫 小平次が「妻の仇!」と良助に打ちかかります。小平次は街道脇の水車小屋に潜んでいたのでした。「今は大事な役目があるため猶予が欲しい」と懇願しますが小平次は聞く耳を持ちません。
ここからが小笠原騒動の見せ場!本水、実際の水を使っての激しい立ち廻りとなります
ついに良助は小平次に討たれてしまいます。息を引き取る前に良助は今までの行いを懺悔し「兵部の悪事を告発するための連判状と直訴状を遠江守に渡してほしい」と小平次に告げ絶命します。

「もっと話を聞くべきであった」と悔やむ小平次でしたが、ちょうどそこに遠江守の一行がやってきました。
遠江守の小姓 林数馬は偶然にも小平次と旧知の仲でありました。和馬を介して、岡田良助から託された連判状と直訴状を渡そうとしたところ遠江守が銃撃されてしまいます。
実は撃たれたのは身替わりの者で、遠江守自身は無事でありました。江戸を出発する前に遠江守の夢に白狐が現れ、犬神兵部の企みやそれを助けたい忠臣 小笠原隼人が身動きができない状態であることを告げられていたのです。
そのため遠江守は小笠原城入りを厳重に警戒していました。
そこに白狐の導きのもと小笠原隼人が登場し、遠江守に犬神兵部の悪事全てを告発するのでした。



大詰第1場 小笠原遠江守邸 使者の間の場 


お大の方が遠江守の屋敷に見舞いにやってきました。   
銃撃された遠江守が実は身替りだったことは知らないようです。序幕でご説明しましたが、妖艶で美しい お大の方は小笠原豊前守の側室です。にもかかわらず豊前守の執権 犬神兵部の子を宿しており、御家の乗っ取りを図ろうとしています。企ての邪魔になるからと、育ての父親すらも殺めてしまうような悪女です。
小笠原隼人や小姓の林和馬と中川源之助が、お大の方を取り囲んで犬神兵部と共謀しての悪事が全て明るみになったことを告げます。八方塞がりの お大の方はその場で命を絶ってしまうのでした。



大詰第2場 小笠原城内 奥庭の場


小笠原城の奥庭で犬神兵部が捕手(とりて)たちに囲まれ大立ち廻りとなります。そこに白狐が奴 菊平の姿で現れ霊力で兵部と戦います。
ついに犬神兵部は捕えられ、小笠原家を窮地から救った白狐は守り神として大切に祀られることになりました…

いかがでしたでしょうか?今回は平成中村座小倉城公演夜の部の演目 通し狂言小笠原騒動のかぶきDOU解説 4幕目第2場から大詰までのおおまかなあらすじをお届けいたしました。再演でありますが出演者と配役の大半が異なっていますので新たな驚きや演出が期待されます!



2役を堪能☆小笠原騒動


この小笠原騒動では2役の役者さんが多い事も見どころです。改めて全編通しでの配役で2役の方をご紹介いたしますと

中村橋之助さんが岡田良助と小笠原遠江守

中村歌之助さんが奴 菊平と小笠原隼人  

中村鶴松さんは隼人の妹 小萩と遠江守の小姓 林数馬 

中村虎之介さんは小平次の妻 お早と遠江守の小姓 中川源之助 

坂東新悟さんは良助女房おかのと遠江守の内室(ないしつ)お峰の方

を勤められます。


中村虎之介さんが勤められます、お早は幽霊としての登場もありますので、3役の演じ分けですね!
4年前の初開催からの続投となっております。復活上演ではお父様の中村扇雀さんも、お早を勤められています。

そして中村歌之助さんは小笠原隼人から白狐の化身の菊平に変わるという、スピードも含め高難度の早替りですので、かぶきDOUでも大変注目しております!


4年前の小笠原騒動では、舞台背景が開いての小倉城の借景や花火があったり、小倉祇園太鼓の登場など平成中村座ならではの演出が盛りだくさんでした。
今回の公演では平成中村座のどんな演出が用意されているのでしょうか?!

今年7月の歌舞伎美人のインタビューで中村勘九郎さんは…
「最後の、花火のような演出もまたある予定ですし、平成中村座から見られる夜のライトアップされた小倉城の景色もぜひ、見ていただきたいですね」と話されています。

そして今回も小倉祇園太鼓の皆さんとの共演もあるとのこと。そちらは観劇レポートなどでお届け致します!



縁の一曲〜4代目中村橋之助さん

歌舞伎役者さんにゆかりの曲をお届けする縁の一曲のコーナー。
今回は4代目中村橋之助さんでした。
来月開催の平成中村座小倉城公演では昼夜全ての演目にご出演です。夜の部小笠原騒動では、子供の頃から一番やりたかったという岡田良助を勤められます。
橋之助さんのテレビドラマデビューはなんと1歳半です!1997年平成9年にお父様の八代目中村芝翫さんが橋之助時代にNHK大河ドラマ 毛利元就で主演を勤められました。
NHKアーカイブスによりますと橋之助さんは中村国生(くにお)のお名前で1歳半で「毛利元就の孫役」を勤められています。

歌舞伎の初舞台は4歳でした。
初代中村国生として2000年平成12年9月歌舞伎座で『京鹿子娘道成寺』の所化を。そして『菊晴勢若駒 きくびより きおいの わかこま』で春駒(はるこま)の童のお役で初舞台をふまれています。

この時、弟の福之助さんも初代中村宗生(むねお)として2歳で!一緒に初舞台を踏まれています。京鹿子娘道成寺の主役白拍子花子は お爺ちゃまの7代目中村芝翫さんが勤められました。

橋之助さんはドラマデビュー(しかも大河ドラマ!)が歌舞伎の初舞台よりもはやかったのですね!まだ27歳とお若いのですが舞台での堂々たる風格は幼少期からお持ちで天性のものなのでしょうね!

音楽 渡辺俊幸 「毛利元就 メインテーマ」をお届けしました。



めでてえなぁ10/11-10/17


お誕生日を迎えられます歌舞伎役者さんをご紹介するめでてえなあのコーナーです。
10/11から10/17がお誕生日の皆さまでした。お名前と所属 屋号をご紹介します。五十音順となっておりますのでご了承ください。


10/12尾上隆松さん
尾上松也一門

10/12澤村藤十郎さん
紀伊國屋

10/13中村仲弥さん
中村屋一門

10/14市川高麗蔵さん
高麗屋

10/14中村歌六さん
播磨屋

10/16片岡松十郎さん
松嶋屋

10/17 尾上菊三呂さん
音羽屋

10/17 中村獅一さん
中村獅童一門


今回は8名の皆さまでした。お誕生日おめでとうございます!



10/17番組アーカイブはこちらからどうぞ

次回は10/24㈫午前10:00〜10:25 FM77.7MHzコミてん生放送です!無料アプリListenRadio、コミてんYouTubeでも生配信しております。お楽しみに!
※権利の関係でYou Tubeには音楽BGMが入っておりません。音声だけの配信となりますのでご了承ください。



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