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【C-038】会社でキャラクターが必要になったらまずコレを読んで下さい

 私は、キャラクターマーケティングコンサルタントをやっています。企業のビジネス課題をオリジナルのキャラクターを用いて解決する提案をしています。私は絵を描けないので、何組かのクリエイターと提携させてもらい、キャラクター制作は彼らにお願いします。私は、プロデューサー的な立ち位置で、課題解決に向けてキャラクターを活用したアドバイスを担当しています。

一時「ゆるキャラ」がブームになりましたが、名付け親であるみうらじゅんさんの著作によれば、デザインだけではなく、キャラクターを活用する戦略の欠如も‘ゆるい’ことの対象になっているとのことで、色々と納得した覚えがあります。実際、キャラクターを戦略的に活用しようと、ほとんどの人が考えないので、ここを一生懸命説明してもサッパリです(笑)しかし、その会社で課題となっていることとセットで話すことで、キャラクターマーケティングとしてご理解いただけます。

私は以前玩具メーカーに勤めていたので、いわゆるキャラクタービジネスの知識がそこそこあります。名だたるキャラクターを管理する会社の方ともたくさん仕事をしてきました。また、マーケターとしても20年以上仕事をしました。マーケティング担当としてのスキルとキャラクタービジネスの知見を元手に起業してしまったわけです。

さて、平成の中頃から「CDが売れない」と言われてきました。音楽を聴くハードが、それまでのCDラジカセ的な機械から、スマホにダウンロードして聴く、というカタチになったことももちろん大きいですが、その前からCDが売れないと言われていました。

一番の要因は、人々の音楽の趣味嗜好が多様化したためです。

昭和の終わり頃までは、テレビでもラジオでも‘ベストテン’的な番組が多くありました。毎週毎週、その時期の流行歌が順位付けされて放送されていました。インターネットもない、スマホもない時代です。子供からお年寄りまで、それらの歌を耳にしていました。というか、それしか情報がなかったのです。

そういう環境だったからこそ、大晦日のNHK紅白歌合戦も家族で楽しく観ることが出来たわけです。

そこで活躍していたミュージシャンに憧れていた若い世代の中から、それまでにないジャンルの楽曲が出てきました。メジャーなレコード会社からCDを発売せずとも世の中に楽曲を提供できるようになったことも、こういった動きを後押ししました。

テレビが扱う本流から外れたこれらの楽曲たちは、一部の熱狂的なファンに支えられますが、世の中全体には波及しません。これが音楽の多様化を形成していきます。それまでは、AやBというミュージシャンに集中していたものが、より多くのマイナーなミュージシャンたちに分散したのです。相対的にAやBのCDの売上が下がっていき、大手レコード会社の「CDが売れなくなった」に行きつきます。

みんなと一緒から、自分だけが知っている…。

音楽の趣味嗜好の多様化が、昭和的な「みんな知っている」「私も知っている」から「自分はコレが好き」「自分だけが知っている」に変化させていったのです。

前置きが長くなりましたが、キャラクターも同じことがおきています。著名なキャラクターは今でもたくさんあります。それらのグッズも多く販売されています。一方で、LINEスタンプやSNSから人気が出るキャラクターなんかも増えています。

これからのキャラクタービジネスは、メジャーなキャラクターでなくてもやり方によっては有効に展開出来ると思ってしまったのは、こういうことが背景にあります。

私はそこを仕事にしています。合わせてクリエイターの地位向上の一助になればと思いながら活動しています。何が`一助‘なのかは、この先を読んでいただければわかります。

それでは、キャラクター活用の考え方や流れを「キャラクターを使う側」の目線でご説明したいと思います。企業の担当者になった気分でお読みください。

最初に「キャラクターは最強のビジネスツール!」、「これからの人事戦略に不可欠!」と申し上げます。

キャラクターと聞くと、様々にイメージされると思います。漫画やアニメ作品に登場するものや、商品のパッケージに印刷されているもの、よく使うLINEスタンプ等、今や生活のあらゆる場面にキャラクターはいます。50年前の生活シーンと比べると、どのくらい増えているのか検討もつきません。そのくらい、キャラクターは我々にとって身近であり、もはや可愛いイラストだから子供のもの、みたいなイメージもありません。年齢に関係なく、親しまれています。キャラクターはこれからも、時代に合わせて年齢、性別、国籍問わず、親しまれ、進化していくと思います。

子供からお年寄りまでアピール出来ます! お堅いイメージを柔らかく出来ます!

キャラクターは有益なビジネスツールです!

キャラクターは、その見た目により軽視されがちですが、その有益性や活用方法を知ると、俄然印象が変わります!世の中にはキャラクターを活用した商品やサービスがたくさんありますが、それが証明のひとつになるでしょう。海外からの旅行者も日本のあらゆる場所でキャラクターを見かけることに好意を持っています。

キャラクターは人事戦略です

ビジネスに有益なキャラクターは、人事の観点からも有益であると言えます。様々なSNSサービスの発展により、企業の情報発信の方法が、それまでの宣伝手法から大きく変化しました。伝えたい情報をすぐに発信することができるばかりではなく、反響もすぐにわかるようになりました。インターネット広告の取扱量が増えているのも納得です。SNSでは、発信者が顔写真やイラスト等を「アイコン」として使っています。企業の公式アカウントであれば、企業ロゴや看板商品の写真などが使われていますが、ここにキャラクターを使うことが増えています。

SNSの担当者は「中の人」と呼ばれます。例えば企業のアカウントでキャラクターを3つ準備し、中の人が1人で使い分けたとしたら、どうでしょうか。フォロワーからは、運用の実態までは分かりませんから、3つのキャラクターの発言をそれぞれに楽しむはずです。YoutubeでPRのための動画を配信する際も、担当者本人が素顔を出して説明せずとも、キャラクターに表現させることも出来ます。このように人事面での効率化も図れます。これからも世の中の技術の発達に伴い、情報発信のツールや方法も変化、進化すると思います。今後もキャラクターが活躍する場は、ますます増えていくことでしょう。

まずは使い方を考えます

キャラクターをどこで使うか、何に使うか、どのように使うか、いつまで使うか、こういったことを先に考えなければ、全てが行き当たりばったりになってしまいます。実は、これらの中にはその企業の課題につながることが多多く隠れているので、それを洗い出し、キャラクターを活用することで解決出来るのです。なので、キャラクターのデザインの前に、こういった活用方法を検討することが非常に大切です。ひょっとしたら、その企業にとっては、課題もないし、キャラクターは不要、という結論になるかもしれませんので、ここは重要になります。

活用法が決まったらデザインに入ります

ビジネスの課題を整理し、その解決法のイメージが出来たら、キャラクターを選定します。

イメージにぴったりな著名なキャラクターがあれば、それを借りることも一案ですし、オリジナルのデザインを検討しても良いと思います。どちらにしても、キャラクターを使うことは、その企業のビジネスにプラスにならなければいけません。

オリジナルで仕立てる場合は、絵に自信のある方は、自分で描くというのも方法ですが、ほとんどの方は、誰かに描いてもらう、と 思うのではないでしょうか。

前記の通り、すでにあるキャラクターを借り受けるという方法もありますので、キャラクターを準備するには、大きく下記の2つだと思います。

①   自前で調達する

自分で描く / キャラクターを描ける人を探して依頼する。

②   他人に借りる

キャラクターを所有する会社と契約して借り受ける。

描ける人を探す方法も、取り敢えず広告代理店に相談する、知り合いを探す、誰かから紹介してもらう等、こちらは色々と方法はあると思いますが、すぐに理想のクリエイターと出会えるかは保証の限りではありません。

キャラクターを所有する会社から借り受ける際は、まずはその会社にコンタクトを取る必要があります。最初に、どこでどのように使いたいのかを聞かれます。先方もその内容で判断をするので、ここが不明瞭では契約出来ません。更に先方の取引の各種条件がありますので、それらをクリアする必要もあります。契約の金額等、最初からある程度の費用が必要になります。

どちらにしても重要なことは、後々のことも考えて「 使い勝手が良い環境にしておく」ことです。

直接依頼する場合でも、著名なクリエイターの場合は、こちらの意向を全て反映することは難しいです。そこそこに融通が利いて、そこそこのポジションのクリエイターと上手く折り合いをつけるのが理想的です。著名クリエイターが難しいように、借り物の場合も、すでに先方のルールがあるので、そこは従わざるを得ません。

自前と借り物、どちらが良いかは、一概には判断できませんが、個人的には、自前(自社オリジナル)をおススメします。借り物の最大の利点は「すでに有名である」ということです。すでに誰でも知っているキャラクターであれば、注目される確率も高くなり、反響等の即効性も期待出来ます。その反面、費用も相応にかかります。人気タレントを起用するのと同じ理屈です。

「使い勝手が良い」とは、自分たち主導で動けるという意味です。

融通が利くクリエイターと上手く折り合いがつけられる場合は、著作権2 次利用の件も整合しておくのが良いです。著作権(著作権と著作者人格権)は、著作者の権利なので、絵を描いた人のものです。この部分をお金で買い取ろうとするクライアントがいますが、これはやらない方がいいと思います。

ここで説明しているキャラクターというのは、1度きりのものではありません。商品のパッケージに印刷されたり、宣伝に使われたり、と企業活動の中で長く使われるものを想定しています。キャラクターのポーズ違いの絵もたくさん必要になります。つまりクリエイターと長く付き合うということになるのです。権利を全て取られてしまったら、モチベーションは下がります。クリエイターと付き合う際は、あくまで対等に、一緒に頑張りましょう、という気持ちが何より大切です。

そこで、著作権については、「共同著作」と契約書に記載し、権利を共有することをおススメします。クライアントとクリエイターがそれぞれ権利を持つわけです。同時にキャラクターの使用については、独占的に使用できる旨を明記すれば、実質上クライアントのオリジナルになるので、買取りした場合と運用上は何ら変わりません。さらにコピーライト(©)の表記も2社(者)併記とすることで、クライアントはもちろん、クリエイターの権利主張も出来ます。これによりクリエイターのモチベーションは格段に上がります。キャラクターの運用ルールもクライアントが、自社での使い勝手を考慮したものにし、クリエイターと整合しておけばOK です。

‘オリジナル’の利点

可能であれば 2 次的利用についても決めておきましょう。ここで言う2次的利用とは、クライアントではない、第三者(外部企業)に対してキャラクターの使用を許諾することです。例えば、Tシャツを作って販売したい、というアパレルメーカーが出てきたとします。(アパレルは、クライアントのビジネスと全く影響のない領域とします)この時、その会社とキャラクターを使った商品化の契約を結ぶことが出来れば、販売数に応じた商品化のロイヤリティを得ることが出来ます。これはプラスの収入です。

キャラクターが認知されると、このような副産物を生みます。2次的な利用でビジネスが広がると、今までキャラクターにかけた費用や時間、担当者のそれまでの労力が一気に報われることでしょう。もちろん、そんな簡単にことは運びませんが、キャラクタービジネスの魅力はこういった部分にもあり、著名なキャラクターを有する会社が多数存在するのもお分かり頂けると思います。

何度も申し上げているように、既存のキャラクターのビジネスは、そのキャラクターを管理・所有する会社に主導権があります。対価を支払う側のクライアントであっても彼らのルールに従わなくてはなりません。何故なら、そのキャラクターは彼らのものだからです。

また、借りる場合は、とにかくあらゆる確認に時間がかかります。自分たちで判断してはいけないからです。自分たちが良いと思ったアイデアも、彼らのルールに沿っていなければ、残念ながらNG となります。これも仕方がありませんが、これではアイデアに費やした時間も労力も全く無駄になってしまいます。対して、自分たちでキャラクターの権利を持っていれば、自分たちのルールで動くことが出来ます。

キャラクター活用で仕事が 何倍も楽しくなります!

社員のアイデア次第!キャラクター活用でモチベーション UP!

‘自社オリジナル’の場合は、ビジネス現場でのスピード感が断然違います!借り物の場合は、管理者への確認に相応の時間を要します。これは内容によっても違いますが、先方担当者に連絡すると「一旦お預かりしてお返事します」という場合がかなりあります。対して、自社オリジナルの場合は、予め自社内で活用ルールを決めておけば、様々な確認、監修作業にかかる時間を大幅に軽減出来ます。商談現場で営業マンが即決することも可能です!

時間のロスがない分、仕事も早く進み、その分の時間で新しいことに取り組めます!!

予算の掛け捨てはもったいない!実は‘オリジナル’がお得です。

キャラクターは、借り物よりオリジナルがベター!

キャラクタービジネスは‘誰が仕切るか’で、使いやすくも悪くもなります。

どんな場合でも他人の決めたルールに従うことほどストレスになることはありません。自分たちのルールで物事が進められたら、どんなに楽でしょうか。既存のキャラクターを借りるよりも、自社で権利を持って展開する方が、断然楽です。‘オリジナル’で展開することで、自社にキャラクタービジネスのノウハウが残ります。さらにキャラクターの人気が出た場合、外部へライセンスすることが出来、ライセンス収入を得ることも期待出来ますので、長い目で見れば非常にお得です。

人々の趣味嗜好が多様化した今の時代においては、かつてのように人気キャラクターがもたらす効果は少なくなってきました。LINE スタンプを見ると、誰でも販売者になれるクリエイターズスタンプのカテゴリーは、膨大な点数が登録されています。皆が持っている、使っている、ということよりも、自分だけが知っている、使っている、という世の中になっています。この傾向は今後も続くと思われます。

弊社提携クリエイター

弊社では、上記でご説明した「オリジナルで制作」する際に使い勝手の 良い内容でご提案しております。著作権を全てお渡しすることはイラストの著作者としては出来かねるので、クライアント様との「共同著作」としています。また、キャラクターを使う際の運用ルールは、クライアント様のご都合を優先し、事前に調整させて頂きます。これにより、事実上‘自社オリジナルキャラクター’と変わらぬ活用が出来ます。

イラストは、提携クリエイターの作品集をご覧いただき、イメージに合う作家をご指名頂きます。契約は、クライアント様とクリエイターにて契約書にて直接締結いただきます。直接かつ契約書があることで、時間が経っても担当者が代わっても、それも元に交渉や調整が可能になります。費用についても同様に直接やり取りしていただきます。弊社はクリエイターの代理として様々にフォローさせていただき、クリエイターより手数料をもらうスキームで活動しています。(他の契約形態もあります)

すでにクリエイターが決まっている場合や、キャラクターがいる場合でもキャラクターの運用のコンサルティングのみの対応も可能です。必要な内容にて別途費用にて承っておりますので、お気軽にご相談ください。

キャラクターをご検討の際は、まずはご相談頂ければ幸いです。

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