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最期を支える人々  −母余命2ヶ月の日々−

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#食事

2015.7.18 「何でもいいのですよ。」

2015.7.18 「何でもいいのですよ。」

 退院が決まった。もとより離れて暮らす私がひとりで介護できるわけがない。あらゆる在宅サービスを利用して母を支えるチームを作り、乗り切っていこうと考えていた。すでにケアマネジャーとは連絡を取り合い、24時間の看護、介護体制を整える準備を進めていた。

 なかでも食事が療養の要だと思った。食事で体力を回復させることを期待している母、そしていずれ食欲が低下していく母にどんな食事を用意すれば良いのか想像も

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2015.7.21 「食べられていますか」

 自宅で過ごす母を支える体制を整えるには、病棟からの情報では足りなかった。いまどうしているかではなくて、どんな能力がどの程度のスピードで落ちていくのか、そのことで何が起き、どんな準備が必要なのかを知りたかった。

 再び、がん相談窓口に向かった。専門看護師に「亡くなる日まで、食事と排泄の能力がどう落ちていくのか知りたいのです。」と聞いた。スピードは人によるが、能力は段階的に落ちていき、その都度、で

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