「季節はわたしを置いてゆく」
季節ばかりが過ぎていく
慌ただしくも衣替え
蕾を見ぬまま満開の
桜は早くも散りはじめ
「汗ばむ初夏の陽気です」
付けっぱなしのラジオから
天気予報が流れてる
季節がわたしを置いてゆく
上着の袖を捲りつつ
日傘をさして出かけます
切ったラジオの最後の声は
「今年初の夏日です」
そんなに早く過ぎてしまうと
追いつけそうにありません
季節はわたしを置いてゆく
日傘越しの太陽が
それでも眩しく目を細め
途方に暮れるわたしです
【詩集】「黄昏月幻想」つきの より
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