「逆説」
幸せを知っているから泣くのだと
悲しみしか知らなければ
それが当たり前になってしまっているだろう
温もりを知っているから
冷たさに凍えるのだと
それは愛された証なのではないだろうか
そんなことを考えたりしている
幸せや温もりの感触を
忘れてしまうのが怖くて
確かにあったものだと
繰り返し言い聞かせて
覚えておきたくて
この頼りなく揺れる心に
できるなら深く深く
刻みつけておきたくて
【詩集】「十六夜書簡」つきの より
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