「病むひとの」
病むひとの
やるせなさ
思うようにならぬ
この心と身体
片手にこんもりと小山をつくる薬
眠れぬ夜の連なり
沈みこむような安らぎの
闇
と
縋るように探そうとする
光
心臓の音どくどくとこめかみまで響き
嗚呼
身の置き所なく
掻きむしる瘡蓋
この
やるせなさ
思うようにならぬ
わたしの
生命というもの
【詩集】「月の道標」つきの より
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