「夕陽を浴びながら」
走るバスの席に座って
開けた窓から入ってくる風を
頬にうけていた
ふと見た窓の外
鮮やかになった緑に気づく
ああ、夏がそこまできている
過ぎていく時間のはやさを
不意に思い知らされた気がする
半身を照らす夕陽
いつの間にか、もうこんなところまで
陽射しが眩しくて
目を細めて手を翳す
ガタゴトとバスは走り続ける
もうすぐいつもの停留所に着く
降り立った時に
夕陽は
わたしの全身を染めてくれるだろうか
あの懐かしい黄昏の色で
【詩集】「黄昏月幻想」つきの より
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