「摘みたくなるの」

爪は長くは伸ばせない
少し伸びても摘みたくなるの
髪も長くは伸ばせない
結局、ショートに逆戻り

伸びてくると熱ぼったくて
ムズムズ重くなってくる
余分なものを摘むことで
スッキリしたくなるのかな

無駄なことなどないとは思えど
この身を軽くしたくなる

(いや、お腹の脂肪のことは)
イラナイものをできるだけ
（だから、太い足も見なかったことに）
熱が籠ってしまわぬように

わたしはわたしの余分なものを
スッキリサッパリ摘みたくなる

涙の欠片も憂鬱の元も
キレイサッパリ摘みたくなるの

【詩集】「十六夜書簡」つきの　より