見出し画像

16/裏切り者が生きていける場所

<3,215文字>

【記事のポイント】表現主義というムーブメントは、いささか不健全なヴィジュアルでした。印象派が比較的穏やかで健全な雰囲気を持っていたのに対し、内面の苦悩をしぼり出す表現主義者こそ鬱屈した芸術家の原型です。


第2章/5. 表現主義とデビルマン


日本語に訳すと因果関係が不明瞭になってしまうのですが、英語で示せばそこにあった動きが歴然と浮かび上がってきます。

「印象派(impressionim)」「表現主義(expressionism)」

心に取り込む(in)ことを重要視した印象派に対して、外に出す(ex)エネルギーを対峙させたのが表現主義です。

表現主義的な運動はヨーロッパ各地で同時に起こりましたが、特に盛んだったのはドイツでした。
たとえばエルンスト・ルードヴィッヒ・キルヒナーなどが代表的な画家です。

彼の作品『街頭の婦人』には、黄緑色の顔をした、うつろな女の人が描かれています。

ここから先は

2,827字

現在の日本の文化がいかにしてつくられたかを、ルネサンス以来の大きな流れの中でひもときます。

マインドブロックをつくり出しているのは、自分自身です。それが腑に落ちると、すべては一気に好転し始めます。ただし、つくり出す過程は『自分一人…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!
1975年には、時間意識の大きな断層があります。 そのことをテレビマンガをテーマにひもときます。

日本人の意識が、なぜ1970年代に大きく変わったのか? それは、ビデオの登場によって映像の視聴体験がまったく別の形になったからです。 ビデ…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?