ごみ拾いボランティアと行政
2023年4月。
(一社)E.Cオーシャンズさん主催の海洋ゴミ回収体験事業「鬼ごみ拾い」が開催され、今回も参加させていただきました。
今回は愛媛県伊方町釜木集落近くの「恋の浜」でごみ拾い。
最寄りの道路からはロープ伝いに急斜面を降りないと辿り着けないため、参加者の移動とごみの運搬はもっぱら船による往復でした。
4日間の日程 (私は初日と最終日の計2日間の参加) で拾い集められたごみは、2tトラック山盛り10杯分ほど。
これを行政のごみ処理施設に引き渡すまでが「鬼ごみ拾い」です。
拾い集められたごみの大部分は、伊方町では「燃やすごみ」として引き受けできず「埋立ごみ」として処分されるものでした。
伊方町の場合、週に1回、限られた時間帯しか持ち込みの埋立ごみを引き受けていないため、拾い集めたごみをE.Cオーシャンズのトラックだけで持ち込もうとすると相当な期間を要するそうです。
今回は伊方町役場の関連部署が非常に協力的だったとのことで、町職員の方々が町のトラック4台でごみ集積拠点まで引き取りに来られました。
異例の協力だったそうで、E.Cオーシャンズ代表の岩田さんもとても喜ばれていました。
私たちが社会を営んでいることで環境中に放出されてきた大量のごみ。
これからの発生を抑える取り組みも推し進めていきたいところですが、いまあるごみは少しずつでも回収しなければ減っていきません。
そのごみ回収の前に立ちはだかる壁の一つに「如何にしてごみを行政に引き渡すか」という難題があることを今回学びました。
自分たちで処理施設に持ち込む必要があるのか、それとも事前に連絡しておけば市町村職員の方が引き取りに来てくれるのか。
連絡の窓口はどこなのか。ごみはどの程度分別しておけばよいのか。
こういった情報が開示されているだけでも、ごみ拾いボランティアの活動は格段に行いやすくなります。
できれば今回の鬼ごみ拾いのように、行政職員の方がごみ回収の現場で引き取ることを“通例”にできるなら、ごみ拾いボランティアの活動はなお促進されることでしょう。
いずれにせよ、ごみ拾いボランティアと行政の協力関係について改めて考える機会を得られた体験でした。
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